Pythonのクラス定義と使い方を徹底解説!初心者でも必ずわかる

2025年4月25日金曜日

Python

Pythonのクラス定義と使い方について、どこよりも分かりやすく解説します!

 プログラミングを学び始めると現れる「クラス」という壁… なんだか難しそうに感じますよね。でも大丈夫!この記事を読めば、クラスの基本から使い方、注意点までバッチリ理解できます。

この記事で学べること

  • クラスってそもそも何? なぜ使うの?
  • Pythonでのクラスの基本的な作り方(定義)
  • `__init__` や `self` って何者?
  • 作ったクラスの実際の使い方(インスタンス化、メソッド呼び出し)
  • 初心者がハマりやすい落とし穴と対処法
  • 実際に動かせるサンプルコード

読み終わるころには、「クラス、完全に理解した!」って言えるようになっているはず。

Pythonのクラスとは? 基本概念を理解しよう

プログラミングをしていると、似たようなデータ(例えば、人の名前や年齢)と、それに関連する処理(例えば、自己紹介する)をまとめて扱いたくなる場面が出てきます。

そんな時に登場するのが「クラス」です。クラスは、データ(属性や変数と呼ばれます)と処理(メソッドや関数と呼ばれます)をひとまとめにするための設計図のようなものと考えてください。

オブジェクト指向プログラミングという考え方の中心的な要素ですが、難しく考えなくてOK!まずは「モノを作るための設計図」というイメージを持てれば十分ですよ。

クラスはオブジェクトの設計図

クラスを「たい焼きの型」、そしてクラスから作られる具体的なモノ(オブジェクトやインスタンスと呼ばれます)を「たい焼き」に例えると分かりやすいかもしれません。

設計図(クラス)があれば、同じ構造を持つ実物(インスタンス)をいくつでも効率よく作れます。

クラス(たい焼きの型)
  |
  +---> インスタンス1(たい焼き・あんこ)
  |
  +---> インスタンス2(たい焼き・クリーム)
  |
  +---> インスタンス3(たい焼き・あんこ)

* 型(クラス)は一つでも、中身(属性)が違うたい焼き(インスタンス)を
  たくさん作れるイメージです。

この「設計図」と「実物」の関係性が、クラスを理解する第一歩です。

なぜPythonでクラスを使うのか? その必要性とメリット

「別にクラスを使わなくてもプログラムは書けるんじゃない?」と思うかもしれません。確かに簡単なプログラムならそれでもOKです。

でも、プログラムが少し複雑になってくると、クラスを使うメリットが光り始めます。

  • コードが整理される
    関連するデータと処理がまとまるので、どこに何が書かれているか分かりやすくなります。
  • コードの再利用がしやすい
    一度クラスを作っておけば、同じようなモノを作りたいときに何度も使い回せます。
  • 修正が楽になる
    設計図(クラス)を修正すれば、それをもとに作られたすべての実物(インスタンス)に修正が反映されるので、メンテナンスが容易になります。

クラスを使うことで、特に大規模なプログラムやチームでの開発が格段に進めやすくなる んです。まさに縁の下の力持ち!

クラスの基本的な定義方法

それでは、実際にPythonでクラスをどうやって作る(定義する)のか見ていきましょう。基本の形は意外とシンプルです。

クラスを作るには `class` というキーワードを使います。

`class`キーワードを使ったクラス宣言

一番シンプルなクラスの宣言は以下のようになります。

class クラス名:
    pass # passは何もしないという意味。中身が空だとエラーになるため記述

これだけで、`クラス名` という名前のクラスが定義できます。簡単ですよね?

ポイントは、クラス名の最初の文字は慣習的に大文字にする ことです(例 `MyClass`, `Person` など)。これは他の変数や関数と区別しやすくするためのルールみたいなものです。

属性(変数)の定義と初期化 `__init__`メソッド

クラスはデータ(属性)を持つことができます。例えば、「人」クラスなら「名前」や「年齢」といったデータですね。

これらの属性は、クラスからインスタンス(実物)が作られるときに初期値を設定することが多いです。その初期化処理を行うのが、`__init__` という特別なメソッド(クラス内の関数のこと)です。

class MyClass:
    def __init__(self, 引数1, 引数2):
        print("インスタンスが作られました!")
        self.属性名1 = 引数1
        self.属性名2 = 引数2

`__init__` は、インスタンスが生成されるタイミングで自動的に呼び出される特別なメソッドで、コンストラクタとも呼ばれます。名前の前後にアンダースコアが2つずつ付くのが特徴です。

最初の引数 `self` は、作られるインスタンス自身を指します。お約束のようなものだと思ってください。メソッド内でインスタンスの属性にアクセスするには `self.属性名` のように書きます。

この例では、`__init__` メソッドが引数 `引数1`, `引数2` を受け取り、それをインスタンスの属性 `属性名1`, `属性名2` にそれぞれ設定しています。

メソッド(関数)の定義と`self`の役割

クラスはデータだけでなく、処理(メソッド)も持つことができます。メソッドは、クラス内で定義された関数のことです。

class MyClass:
    def __init__(self, name):
        self.name = name # インスタンスの属性name

    def say_hello(self):
        print(f"こんにちは!私の名前は {self.name} です。")

この例では `say_hello` というメソッドを定義しています。メソッドを定義するルールは通常の関数とほぼ同じですが、一つ大きな違いがあります。

メソッドの最初の引数には必ず `self` を書く というルールです。この `self` を通して、メソッドはそのメソッドを呼び出したインスタンス自身の属性(例 `self.name`)にアクセスしたり、同じインスタンスの他のメソッドを呼び出したりできます。

メソッドを呼び出す際には `self` を明示的に渡す必要はありません。Pythonが裏側で自動的にやってくれます。

クラスの基本的な使い方 - インスタンス化とアクセス

クラス(設計図)を定義したら、次はそれを使ってインスタンス(実物)を作り、実際に使ってみましょう。

クラスを使う流れは大きく分けて2ステップです。

  1. クラスからインスタンスを作成する(インスタンス化)
  2. 作成したインスタンスの属性にアクセスしたり、メソッドを呼び出したりする

クラスからオブジェクト(インスタンス)を作成する

クラスからインスタンスを作るには、クラス名の後ろに `()` を付けて呼び出します。ちょうど関数を呼び出すような感じです。

# MyClass というクラス(設計図)があると仮定
instance1 = MyClass() # MyClassのインスタンスを作成し、変数instance1に入れる
instance2 = MyClass() # 別のインスタンスを作成し、変数instance2に入れる

もし `__init__` メソッドが `self` 以外の引数を受け取るように定義されている場合は、インスタンス化の際に `()` の中に引数を渡します。

class Person:
    def __init__(self, name, age): # 名前と年齢を受け取る
        self.name = name
        self.age = age

# インスタンス化の際に引数を渡す
person1 = Person("太郎", 30) # 名前"太郎", 年齢30のPersonインスタンス作成
person2 = Person("花子", 25) # 名前"花子", 年齢25のPersonインスタンス作成

クラス名に `()` をつけることで、`__init__` メソッドが実行され、新しいインスタンスが生まれる と覚えておきましょう。

インスタンス属性へのアクセス方法

作成したインスタンスが持っている属性(データ)にアクセスするには、ドット `.` を使います。

インスタンス変数名.属性名

例えば、先ほどの `Person` クラスのインスタンス `person1` の `name` 属性にアクセスするには、以下のように書きます。

person1 = Person("太郎", 30)

print(person1.name) # 出力: 太郎
print(person1.age)  # 出力: 30

# 属性の値を変更することも可能
person1.age = 31
print(person1.age)  # 出力: 31

ドット `.` を使ってインスタンスの中のデータ(属性)を見たり、書き換えたりできる、というわけです。

インスタンスメソッドの呼び出し方

インスタンスが持つメソッド(処理)を実行(呼び出す)する場合も、属性へのアクセスと同じようにドット `.` を使います。

インスタンス変数名.メソッド名()

メソッド名の後ろには `()` を付けるのを忘れないでくださいね。引数が必要なメソッドの場合は、`()` の中に引数を書きます。

class Greeter:
    def __init__(self, name):
        self.name = name

    def say_hello(self): # 引数なしメソッド
        print(f"こんにちは、{self.name}さん!")

    def say_goodbye(self, time_str): # 引数ありメソッド
        print(f"{self.name}さん、{time_str}にさようなら!")

# インスタンス作成
greeter = Greeter("次郎")

# メソッド呼び出し
greeter.say_hello() # 出力: こんにちは、次郎さん!
greeter.say_goodbye("夜") # 出力: 次郎さん、夜にさようなら!

メソッドを呼び出すときもドット `.` を使い、メソッド名の後に `()` をつけるのが基本です。メソッド定義時に書いた `self` は呼び出し時には書きません。

実践!Pythonのクラスを使ってみよう

さあ、ここまでの知識を使って、実際にクラスを定義して使ってみましょう!百聞は一見にしかず、手を動かすのが一番です。

例題 人を表す`Person`クラスを作ってみよう

ここでは、人の「名前(name)」と「年齢(age)」という属性を持ち、「自己紹介(introduce)」をするメソッドを持つ `Person` クラスを作ってみます。

設計図としてはこんな感じです。

  • クラス名: `Person`
  • 属性:
    • `name`: 名前(文字列)
    • `age`: 年齢(整数)
  • メソッド:
    • `__init__(self, name, age)`: 名前と年齢を受け取って属性に設定する
    • `introduce(self)`: 「私の名前は〇〇、年齢は△△歳です。」と表示する

コード解説と実行結果

では、上記の設計をもとにPythonコードを書いてみましょう。以下のコードをコピーして、お手元のPython環境で実行してみてください。

# Personクラスの定義
class Person:
    def __init__(self, name, age):
        # インスタンス生成時に名前と年齢を受け取り、属性に設定
        self.name = name
        self.age = age
        print(f"{self.name}さんのインスタンスが作成されました。")

    def introduce(self):
        # 自己紹介メッセージを表示するメソッド
        print(f"私の名前は{self.name}、年齢は{self.age}歳です。")

# Personクラスからインスタンスを作成
person_a = Person("山田太郎", 35) # 山田太郎さんのインスタンス
person_b = Person("佐藤花子", 28) # 佐藤花子さんのインスタンス

# 作成したインスタンスのメソッドを呼び出す
print("--- 自己紹介 ---")
person_a.introduce() # 山田さんの自己紹介
person_b.introduce() # 佐藤さんの自己紹介

# 属性にアクセスしてみる
print("--- 年齢確認 ---")
print(f"{person_a.name}さんの年齢は {person_a.age} 歳")

実行結果

山田太郎さんのインスタンスが作成されました。
佐藤花子さんのインスタンスが作成されました。
--- 自己紹介 ---
私の名前は山田太郎、年齢は35歳です。
私の名前は佐藤花子、年齢は28歳です。
--- 年齢確認 ---
山田太郎さんの年齢は 35 歳

どうでしょう?クラスを定義し、そこからインスタンスを作って、メソッドを呼び出す流れがつかめましたか?

コードの各部分が何を意味するか(クラス定義、`__init__`、メソッド定義、インスタンス化、メソッド呼び出し、属性アクセス)を一つ一つ確認しながら、自分の手で書き換えて試してみると、さらに理解が深まりますよ。

Pythonでクラスを使う上での注意点とよくある疑問

クラスは便利ですが、最初のうちはいくつか間違いやすいポイントや疑問点が出てくるかもしれません。ここでは、初心者が特につまずきやすい点をいくつか紹介します。

初心者がつまずきやすいポイント `self`の付け忘れなど

クラスを書き始めた頃に遭遇しやすいエラーの代表例が `self` 関連です。

  • メソッド定義時の `self` の書き忘れ
    メソッドの最初の引数に `self` を書き忘れると、メソッド呼び出し時に引数の数が合わないというエラー (`TypeError: ... takes 0 positional arguments but 1 was given` など) が出ます。メソッドを定義したら、まず `self` を書く!と覚えておきましょう。
  • メソッド内での `self.` の付け忘れ
    メソッドの中でインスタンス属性にアクセスする際に `self.` を付け忘れると、未定義の変数を使おうとしているというエラー (`NameError: name '属性名' is not defined` など) が発生します。インスタンスの属性やメソッドを使うときは、必ず `self.` を付けましょう。
  • `__init__` のスペルミス
    `_init_` のようにアンダースコアが1つだったり、スペルを間違えたりすると、それはただの普通のメソッドとして扱われ、インスタンス生成時に自動で呼ばれなくなってしまいます。アンダースコアは前後に2つずつ!としっかり確認しましょう。

エラーメッセージを読むのは最初は怖いかもしれませんが、何が原因でエラーが出ているのかを知る大きな手がかりになります。エラーが出たら、まずは `self` や `__init__` の記述を確認する癖をつけると良いでしょう。

クラス名や変数名の命名規則

Pythonには、コードを読みやすくするための慣習的な命名規則があります (PEP 8 という文書で推奨されています)。

  • クラス名
    `CapWords` または `CamelCase` と呼ばれる形式。単語の先頭を大文字にし、繋げます(例: `MyClass`, `Person`, `HttpRequest`)。
  • メソッド名・関数名・変数名
    `snake_case` と呼ばれる形式。すべて小文字で、単語間をアンダースコア `_` で繋げます(例: `my_variable`, `calculate_sum`, `get_user_name`)。

この規則に従わなくてもプログラムは動きますが、命名規則を守ると、自分自身にとっても他の人にとってもコードが格段に読みやすくなります。 ぜひ意識してみてください。

【まとめ】Pythonのクラス定義と使い方をマスターしよう

この記事では、Pythonのクラスについて、基本概念から定義方法、使い方、注意点まで一通り解説しました。

最後に要点を振り返っておきましょう。

  • クラスはデータ(属性)と処理(メソッド)をまとめる「設計図」。
  • `class` キーワードで定義し、クラス名は大文字で始めるのが慣習。
  • `__init__` はインスタンス生成時に呼ばれる初期化用メソッド。
  • メソッドの最初の引数は `self` で、インスタンス自身を表す。
  • クラス名に `()` を付けてインスタンスを作成する。
  • インスタンスの属性やメソッドにはドット `.` でアクセスする。
  • `self` の付け忘れなどのエラーに注意し、命名規則を意識するとGood!

クラスはオブジェクト指向の入り口であり、使いこなせるとPythonプログラミングがもっと楽しく、効率的になります。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、焦らず、まずは簡単なクラスから自分で作ってみるのがおすすめです。

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