Pythonのリスト追加マスター講座!初心者が必ず理解すべき全手法

2025年4月23日水曜日

Python

Pythonのリスト追加、プログラミング初心者にとっては最初の壁の一つかもしれません。

append? insert? extend? なんか色々あって混乱しちゃう…そんな経験、ありませんか?

この記事では、Pythonでリストに要素を追加する色々な方法を、基礎の基礎から、ちょっとした応用テクニック、そして初心者がハマりがちな落とし穴まで、まるっと解説していきます。

読めばきっと、「なるほど、そういうことか!」とスッキリするはず。

この記事で学べること

  • リストに要素をポンッと追加する方法がわかる
  • 好きな場所に要素をズバッと挿入する方法がわかる
  • まとめてたくさんの要素を追加する方法がわかる
  • それぞれの方法の違いと使い分けがわかる
  • よくあるエラーの原因と対処法がわかる

Pythonリストへの追加とは?

まず、Pythonの「リスト」って何でしょう?

簡単に言うと、データを順番にしまっておける、とっても便利な「箱」みたいなものです。
例えば、買い物リストみたいに「りんご」「バナナ」「牛乳」…と順番にメモしておきたい時や、テストの点数を「70点」「80点」「95点」…と記録しておきたい時に活躍します。

そして「リストへの追加」とは、その箱に新しいデータ(要素と呼びます)を後から入れる操作のこと。

プログラムを動かしている途中で、ユーザーが何か入力したり、計算結果が出たりした時に、そのデータをリストに記録しておきたい、そんな場面で必須になる操作なんです。

リストに追加ができると、プログラムがもっと柔軟に、色々なデータを扱えるようになるんですよ。

なぜPythonでリストへの要素追加を学ぶべきなのか

リストへの要素追加、地味に見えるかもしれませんが、実はマスターするとプログラミングの世界がぐんと広がります!

どんなメリットがあるか、いくつか挙げてみましょう。

動的なデータ管理

プログラム実行中に増えていくデータを、簡単にリストに溜めていくことができます。例えば、Webサイトでユーザーが「いいね!」した記事のIDをリストに追加していく、みたいな処理が書けるようになります。

処理の効率化

たくさんのデータを扱う時、リストに追加していくことで、後でまとめて処理したり、順番に処理したりするのが楽になります。
例えば、センサーから送られてくる測定値をリストに追加しておいて、後で平均値を計算する、なんてことも可能です。

複雑なプログラムの基礎

もっと高度なプログラムを作る上でも、リスト操作は基本中の基本。
ゲームのキャラクターが拾ったアイテムをリストに追加する、SNSアプリで新しい投稿をリストの先頭に追加する…など、応用範囲は無限大です!

リスト追加を覚えるだけで、「データを貯めて、後で使う」というプログラミングの基本的な考え方が身につくので、ぜひ最初にマスターしておきたいスキルなんです。

Pythonリスト追加の基本 - appendメソッドの使い方

さて、いよいよリストに要素を追加する方法を見ていきましょう!

一番ベーシックでよく使われるのが、`append()`(アペンド)メソッドです。

`append()`は、リストの一番最後に新しい要素を一つだけ追加する機能を持っています。
シンプルで使いやすいので、まず最初に覚えたいメソッドですね。

書き方はこんな感じ。

リストが入っている変数.append(追加したい要素)
例えば、果物のリストに新しい果物を追加してみましょう。

appendの書き方とシンプルなコード例

実際にコードで見てみると、とても簡単ですよ。

# 空っぽのリストを用意
fruits = []
print("最初のリスト:", fruits)

# appendで 'apple' を追加
fruits.append('apple')
print("apple追加後:", fruits)

# appendで 'banana' を追加
fruits.append('banana')
print("banana追加後:", fruits)

これを実行すると、下のように表示されます。

最初のリスト: []
apple追加後: ['apple']
banana追加後: ['apple', 'banana']

ね、簡単でしょ? `append()` を使うたびに、リストの最後に要素が追加されていくのがわかりますね。リストの後ろにどんどん足していくのが`append`の役割です。

appendで追加できる様々なデータ型

`append()` はとっても柔軟で、色々な種類のデータを追加できます。
数値はもちろん、文字列、True/Falseのようなブール値、そしてなんとリスト自体を追加することも可能なんです。

my_list = [1, 2]
print("元のリスト:", my_list)

# 数値(整数)を追加
my_list.append(3)
print("数値追加後:", my_list)

# 文字列を追加
my_list.append('hello')
print("文字列追加後:", my_list)

# リストを追加 (ここがポイント!)
my_list.append([4, 5])
print("リスト追加後:", my_list)

実行結果はこちら。

元のリスト: [1, 2]
数値追加後: [1, 2, 3]
文字列追加後: [1, 2, 3, 'hello']
リスト追加後: [1, 2, 3, 'hello', [4, 5]]

最後の結果に注目! `append([4, 5])` とすると、`[4, 5]` というリストが丸ごと一つの要素として追加されていますね。

リストの中にリストが入る、入れ子の状態になります。後で紹介する `extend` との違いで大事な点なので、頭の片隅に置いておいてくださいね。

Pythonリストの特定位置に追加 - insertメソッドの使い方

`append()` はリストの最後に追加しましたが、「リストの途中に入れたい!」って時もありますよね。

そんな時に使うのが `insert()`(インサート)メソッドです。

`insert()` は、指定した位置(インデックス番号)に要素を挿入することができます。

書き方はこちら。

リストが入っている変数.insert(位置(インデックス), 追加したい要素)

ここでいう「位置(インデックス)」は、リストの何番目に入れるか、という番号のこと。

Pythonのリストのインデックスは0から始まるのがポイントです!先頭が0番目、次が1番目、と数えます。

`insert()` を使うと、指定した位置に新しい要素が入り、元々そこにあった要素やそれ以降の要素は、一つずつ後ろにズレます

イメージはこんな感じ。

元のリスト: ['A', 'B', 'C']
(インデックス: 0,  1,  2)

insert(1, 'X') を実行!
↓
インデックス 1 の位置('B'の場所)に 'X' を挿入!
'B' と 'C' は後ろにずれるよ。

結果: ['A', 'X', 'B', 'C']
(インデックス: 0,  1,  2,  3)

insertの書き方とインデックス指定のコツ

では、実際に`insert()`を使ってみましょう。

colors = ['red', 'green', 'blue']
print("元のリスト:", colors)

# インデックス 1 (先頭から2番目) に 'yellow' を挿入
colors.insert(1, 'yellow')
print("yellow挿入後:", colors)

# インデックス 0 (先頭) に 'white' を挿入
colors.insert(0, 'white')
print("white挿入後:", colors)

# インデックス 99 (範囲外だけど…) に 'black' を挿入
# 範囲外の大きな数を指定すると、結局一番最後に追加される
colors.insert(99, 'black')
print("black挿入後:", colors)

実行結果です。

元のリスト: ['red', 'green', 'blue']
yellow挿入後: ['red', 'yellow', 'green', 'blue']
white挿入後: ['white', 'red', 'yellow', 'green', 'blue']
black挿入後: ['white', 'red', 'yellow', 'green', 'blue', 'black']

インデックス1に`yellow`を挿入したら、`green`と`blue`が後ろにズレましたね。
インデックス0に`white`を挿入したら、ちゃんと先頭に入りました。
面白いのは最後の`insert(99, 'black')`。リストの長さを超える大きなインデックスを指定してもエラーにはならず、結局リストの末尾に追加されるんです。覚えておくと便利な場合があるかもしれません。

ちなみに、リストの長さを取得する `len()` 関数を使って `colors.insert(len(colors), 'gray')` と書けば、確実に末尾に追加することもできますよ。(`append`と同じ結果になりますね!)

insert使用時の注意点 リスト長の考慮

`insert()` は便利ですが、ちょっとだけ気をつけておきたい点があります。

  • インデックス指定の挙動
    先ほどの例のように、リストの範囲を超えるインデックスを指定してもエラーにはなりません(末尾に追加される)。また、負のインデックス(例えば`-1`)を指定すると、末尾から数えた位置に入りますが、これも範囲外だと先頭に追加されたりします。意図した位置に入っているか、必ず確認しましょう。
  • リストの長さが変わる
    `insert()` を使うと、当然リストの要素数(長さ)が変わります。もしループ処理の中で `insert()` を使っている場合、ループの条件や他のインデックス指定に影響が出ることがあるので注意が必要です。
  • 処理速度
    リストの先頭や途中に要素を挿入する場合、それ以降の要素をすべて一つずつ後ろにずらす、という内部的な処理が発生します。リストが非常に長い場合、`append()`(末尾追加)に比べて少し時間がかかることがあります。パフォーマンスが気になる場合は意識しておくと良いかもしれません。

基本的には「この場所に入れたい!」という明確な目的があるときに `insert()` を使うのが良いでしょう。

Pythonリストに複数要素を追加 - extendメソッドの使い方

一度にたくさんの要素をリストに追加したい!そんな時に役立つのが `extend()`(エクステンド)メソッドです。

`extend()` は、リストの末尾に、別のリストやタプルなど(専門用語でイテラブルと言います)の中身を全部まとめて追加する機能を持っています。

`append()` が要素を「一つ」追加したのに対し、`extend()` は引数に渡したリストなどの「中身」を展開して追加するイメージです。

書き方はこちら。

リスト変数1.extend(追加したい要素が入ったリストやタプルなど)

例えば、二つの数字リストを合体させたい時なんかに便利です。

extendの書き方とリスト結合の例

コードで見てみましょう。リストだけでなく、タプル(要素を変更できないリストのようなもの)も追加できます。

list_a = [1, 2, 3]
list_b = [4, 5, 6]
tuple_c = (7, 8) # タプルは丸括弧で定義

print("元のlist_a:", list_a)

# list_a に list_b の要素を追加
list_a.extend(list_b)
print("list_bを追加後:", list_a)

# list_a に tuple_c の要素を追加
list_a.extend(tuple_c)
print("tuple_cを追加後:", list_a)

# 文字列もイテラブルなので追加できる (一文字ずつ追加される)
list_a.extend("XYZ")
print("文字列'XYZ'を追加後:", list_a)

実行結果です。

元のlist_a: [1, 2, 3]
list_bを追加後: [1, 2, 3, 4, 5, 6]
tuple_cを追加後: [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8]
文字列'XYZ'を追加後: [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 'X', 'Y', 'Z']

`extend()` を使うと、引数のリストやタプルの中身がバラバラになって、元のリストの後ろにくっつくのがわかりますね。文字列を追加すると一文字ずつ追加されるのも面白い挙動です。
`extend()` は、`append()` や `insert()` と同じように、元のリスト自体を変更する点にも注意しましょう。

appendとextendの決定的な違いを徹底比較

ここで、初心者が一番混乱しやすい `append()` と `extend()` の違いをはっきりさせておきましょう!
どちらもリストの末尾に追加する点は似ていますが、リストを引数に渡した時の挙動が全く違います

もう一度、コードで比較してみます。

# appendの場合
list_append = [1, 2]
list_to_add = [3, 4]
list_append.append(list_to_add) # リスト[3, 4]を一つの要素として追加
print("appendの結果:", list_append)

# extendの場合
list_extend = [1, 2]
list_to_add = [3, 4]
list_extend.extend(list_to_add) # リスト[3, 4]の中身(3と4)を追加
print("extendの結果:", list_extend)

実行結果を見れば一目瞭然!

appendの結果: [1, 2, [3, 4]]
extendの結果: [1, 2, 3, 4]
  • `append()` は、引数 `[3, 4]` をそのまま一つの要素としてリストの最後に追加します。結果、リストの中にリストが入る「入れ子」状態になります。
  • `extend()` は、引数 `[3, 4]` の中身である `3` と `4` をそれぞれリストの最後に追加します。結果、リストが平たく結合された状態になります。

「要素を一つポンと追加したいなら`append`」「リストの中身をまとめてドサッと追加したいなら`extend`」と覚えるのが良いでしょう!目的によってしっかり使い分けることが、リスト操作マスターへの道です。

プラス演算子を使ったPythonリストの追加結合

リストをくっつける方法はもう一つあります。それは、算数でおなじみのプラス記号 `+` を使う方法です。

二つのリストを `+` で繋げると、それらが結合された新しいリストが作られます。

list1 = [1, 2, 3]
list2 = [4, 5, 6]

# +演算子で結合
new_list = list1 + list2

print("list1:", list1)
print("list2:", list2)
print("new_list:", new_list)

実行結果はこちら。

list1: [1, 2, 3]
list2: [4, 5, 6]
new_list: [1, 2, 3, 4, 5, 6]

`extend()` と似ていますが、大きな違いがあります。

`+`演算子は、元の `list1` や `list2` を変更しません。あくまで新しいリスト `new_list` を作り出すのです。(こういう操作を「非破壊的」と言ったりします)

一方で、`extend()` は元のリスト(上の例でいう `list_a`)自体を変更しましたね(「破壊的」)。

元のリストを残しておきたい場合は `+` を、元のリストに直接追加していきたい場合は `extend()` を使う、という使い分けができます。

Pythonリスト追加時によくあるエラーとその解決策

よし、これでリスト追加は完璧!…と思っても、実際にコードを書いていると、思わぬエラーに遭遇することがあります。

ここでは、リスト追加の際によく見かけるエラーとその対処法を、初心者向けに解説しますね。エラーメッセージが出ても慌てないで!

TypeErrorの原因と対処法

`TypeError` は、関数の引数として想定されていない型(タイプ)のデータを渡してしまった時に発生するエラーです。

リスト追加でよくあるのは、`append()` や `extend()` の使い方を間違えたケース。

例えば、`append()` は要素を一つだけ追加するメソッドなのに、うっかり複数の要素を引数に指定してしまうと…

my_list = [1]
my_list.append(2, 3) # ←間違い!appendに引数は一つだけ!

こんなエラーが出ます。

TypeError: append() takes exactly one argument (2 given)

メッセージを読むと、「append()はちょうど一つの引数を取ります(2つ与えられました)」と教えてくれていますね。エラーメッセージは解決の大きな手がかりです。

この場合の解決策は、

  • もし `2` と `3` を別々に追加したいなら、`append()` を2回使う: `my_list.append(2)` してから `my_list.append(3)`
  • もし `2` と `3` をまとめて追加したいなら、`extend()` を使う: `my_list.extend([2, 3])`

どちらかになります。メソッドの正しい使い方を思い出して修正しましょう。

AttributeErrorの原因と対処法

`AttributeError` は、そのオブジェクト(変数の中身など)が持っていない属性(アトリビュート)やメソッドを呼び出そうとした時に発生するエラーです。

リスト追加でよくあるのは、

  • 変数名のタイプミス
  • リストだと思っていた変数が、実はリストではなかった(例えば `None` だったり、数値だったり)

といったケースです。

例えば、こんなコード。

# 変数名を間違えた! (my_list ではなく my_lis)
my_lis = [1, 2]
my_lis.append(3) # ← ここはOK

# しかし、後で正しい変数名で追加しようとすると…
# my_list はまだ定義されていないのでエラーになる!
# my_list.append(4) # ← NameError になる

# または、うっかりリストを None で上書きしてしまった場合
scores = [80, 90]
scores = None # ← 何かの処理でNoneになってしまった!

scores.append(100) # ← Noneにはappendメソッドがない!

二つ目の例では、こんなエラーメッセージが表示されるでしょう。

AttributeError: 'NoneType' object has no attribute 'append'

「'NoneType'オブジェクト(つまり`None`)は、'append'という属性を持っていません」という意味です。

解決策としては、

  • 変数名が正しいか、タイプミスがないかよく確認する。
  • エラーが出た箇所の手前で、`print(type(変数名))` を使って、その変数が本当にリスト型(``)になっているか確認してみる。もし違う型になっていたら、なぜそうなったのかコードを遡って原因を探る。

などがあります。変数が今どんな状態なのかを把握することが、`AttributeError`解決の近道です。

【まとめ】 Pythonのリスト追加を使いこなそう!

これでPythonのリストへの要素追加はバッチリですね!
この記事では、以下の4つの主要な追加方法を学びました。

  • `append()`: リストの末尾に要素を「一つ」追加
  • `insert()`: 指定した位置に要素を「一つ」挿入
  • `extend()`: リストの末尾に別のリストなどの「中身を全部」追加
  • `+`演算子: 二つのリストを結合して「新しいリスト」を作成

それぞれの違いを理解して、目的に合わせて使い分けるのがコツです。

よくあるエラー(`TypeError`, `AttributeError`)も怖がらず、メッセージを読んで対処できるようになれば、もう初心者卒業も間近かも!?

リストに追加できるようになったら、次は…

  • リストから要素を削除する方法(`remove`, `pop`, `del`)
  • リストの中身を検索する方法(`index`, `in`)
  • リストを並び替える方法(`sort`, `sorted`)
  • `for`ループと組み合わせてリストの全要素を処理する方法

などを学んでいくと、さらにPythonでできることの幅が広がりますよ!

リスト操作はデータ処理の基本。どんどんコードを書いて、試して、時にはエラーも経験しながら、自由にデータを扱えるスキルを身につけていってくださいね。

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