開発効率と安全性を両立させるコードレビューガイド!具体的な進め方とチェックリスト

2025年5月1日木曜日

セキュアコーディング

開発効率と安全性を両立させるコードレビューガイドの作り方、知りたくないですか? 

この記事では、セキュリティも効率も諦めない、そんな欲張りなコードレビューの進め方と、すぐに使えるチェックリストを紹介します!

コードレビューって聞くと、なんだか堅苦しいイメージがあるかもしれませんね。でも、ちょっとしたコツで、チーム開発がもっとスムーズに、そして安全になるんです。この記事を読めば、レビューする側もされる側もハッピーになれる、そんな方法が見つかるはず。さあ、一緒に見ていきましょう!

この記事で学べること

  • なぜコードレビューに指針がいるのか、その納得の理由
  • セキュリティレビューでよくある悩みと、その解決策
  • 明日から使える、セキュアコーディングのチェックリスト
  • レビューを楽にする仕組みやテクニック
  • 作った指針をちゃんとチームに根付かせるコツ

なぜセキュアコーディングにコードレビューガイドが必要なのか?

さて、いきなりですが、コードレビューってなんでやるんでしたっけ? 

バグを見つけるため? 仕様通りか確認するため? もちろんそれも正解! でも、セキュアコーディング、つまり安全なコードを書くっていう観点も、めちゃくちゃ大事なんです。

想像してみてください。一生懸命作ったサービスに、もしセキュリティの穴があったら…? 考えるだけで冷や汗が出ますよね。そんな悲劇を防ぐために、コードレビューでしっかりセキュリティ面もチェックする必要があるわけです。

でも、ここで問題発生。「セキュリティって言っても、何を見ればいいの?」「人によって言うことが違うんだけど…」なんてこと、ありませんか?

そう、セキュリティレビューって、結構属人的になりがちなんです。そこで登場するのがコードレビューガイド、つまりレビューの指針です。

これがあれば、誰がレビューしても一定の品質を保てるし、何を見ればいいか迷うことも減る。教育コストだって抑えられます。みんなが同じ方向を向いて、安全なコード作りを進められるようになるってわけですね。

コードレビューにおけるセキュリティの課題

開発現場って、いつも時間との戦いですよね。「とりあえず動くものを早く!」ってなると、セキュリティチェックはどうしても後回しにされがち…。ありがちですが、結構危険な状況です。

それに、セキュリティって専門知識が必要な場面も多くて、「どこまで見ればいいのか分からない」「自信がない」と感じている人もいるかもしれません。結果として、レビューで見落としが発生し、後で大きな問題に発展してしまうケースも…。

指針がないと、レビュー担当者の経験や知識に頼るしかなくなり、チェックのレベルにばらつきが出てしまうのもよくある課題です。これでは、せっかくコードレビューをしても、セキュリティ品質を安定させるのは難しいですよね。

コードレビューガイド導入によるメリット

じゃあ、ちゃんとセキュアコーディングを意識したコードレビューガイドを作ると、どんないいことがあるんでしょうか?

まず、セキュリティ品質が安定します。誰がレビューしても、最低限チェックすべき項目が明確になるので、見落としが減るんです。それに、レビューする側も「ここを見ればOK」というのが分かるので、効率が上がります。迷う時間が減るだけでも、だいぶ違いますよね。

レビューの属人化も防げます。「あの人がレビューしないと不安…」なんて状況から解放されるわけです。チーム全体のスキルアップにも繋がります。ガイドを通じて、みんながセキュアコーディングの知識を自然と身につけていけるんです。新しくチームに入ったメンバーへの教育資料としても使えますね。

コードレビューガイド- セキュアコーディング編

ここからは、いよいよ本題! セキュアコーディングをしっかりやるための、実践的なコードレビューガイドの中身について見ていきましょう。どんな項目を盛り込んで、どうやって使っていけばいいのか、詳しく解説していきますよ。

これから紹介する内容を参考に、皆さんのチームに合った指針を作ってみてください。完璧なものを最初から目指さなくても大丈夫。まずは作ってみて、使いながら良くしていくのがおすすめです!

コードレビューガイドの基本ステップ

指針を作っても、どうやってレビューを進めるのがいいんでしょうか? セキュアコーディングを意識したレビューの基本的な流れは、こんな感じです。

1. 準備は念入りに
レビューをお願いする前に、まず自分でコードをチェック! 指針に照らし合わせて、明らかな問題がないか確認しておくだけでも、レビューがスムーズになります。変更点や、特に見てほしい箇所をレビュアーに伝えるのも忘れずに。

2. レビュアーを選ぶ
誰にレビューしてもらうかも結構大事。コードの特性や、レビュアーの得意分野を考えてお願いするのがベストです。場合によっては、複数人にお願いするのもアリですね。

3. いざ、レビュー実施!
レビュアーは、コードレビューガイドのチェックリストを片手に、コードを読み進めます。怪しい箇所や、改善できそうな点を見つけたら、コメントを残しましょう。ただダメ出しするんじゃなくて、どうすれば良くなるか、代替案を示すのが親切ですね。

4. フィードバックと修正
レビューコメントをもらったら、内容を確認してコードを修正します。コメントの意図が分からなければ、遠慮なくレビュアーに質問しましょう。修正が終わったら、再度レビューをお願いします。

5. 最終確認と承認
修正内容を確認して、問題なければ承認! これでレビューは完了です。お疲れ様でした!

各ステップでコードレビューガイドを意識することで、抜け漏れなく、効率的にレビューを進められます。

超重要セキュアコーディングのためのチェックリスト

さあ、コードレビューガイドの心臓部、チェックリストの登場です! 

ここでは、最低限見ておきたいセキュアコーディングの観点をリストアップします。これを元に、皆さんのプロジェクトに合わせてカスタマイズしてくださいね。

【入力値の検証】
ユーザーからの入力は常に疑うべし! 変な文字や想定外のデータが入ってこないか、ちゃんとチェックしていますか? 型、長さ、文字種、範囲などをしっかり検証しましょう。

これが不十分だと、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)の原因になります。

// PHPの例: 数値かどうかチェック
if (!is_numeric($_POST['user_id'])) {
  die('不正なIDです');
}

【出力時のエスケープ処理】
画面にデータを表示するとき、そのまま出力していませんか? 

特殊文字(<、>、& など)を無害化(エスケープ)しないと、XSS攻撃を受ける可能性があります。HTML、JavaScript、CSSなど、出力する場所に合わせて適切なエスケープ処理が必要です。

// PHPの例: HTMLエスケープ
echo htmlspecialchars($user_comment, ENT_QUOTES, 'UTF-8');

【SQLインジェクション対策】
データベースを操作するSQL文を組み立てる際、入力値を直接埋め込むのは超危険! 悪意のあるSQL文を注入され、データが盗まれたり改ざんされたりする可能性があります。

プレースホルダを使うのが基本中の基本です。

// PHP PDOの例: プレースホルダ
$stmt = $pdo->prepare("SELECT * FROM users WHERE email = ?");
$stmt->execute([$email]);
$user = $stmt->fetch();

【認証と認可】
ログイン機能は大丈夫? パスワードはちゃんとハッシュ化して保存していますか? ログイン後のセッション管理は安全ですか? 

また、ログインしているユーザーが、権限のない操作(他のユーザーの情報を見る、管理者機能を使うなど)ができてしまわないか、しっかりチェックが必要です。

【エラーハンドリング】
エラーメッセージに、システムの内部情報やデバッグ情報が出ちゃっていませんか? 攻撃者に余計な情報を与えることになります。ユーザーにはシンプルなエラーメッセージだけを見せ、詳細はログに残すようにしましょう。

【その他】
他にも、ファイルアップロード機能のチェック、使用しているライブラリの脆弱性確認、機密情報のハードコーディング禁止など、見るべき点はたくさんあります。OWASP Top 10などを参考に、リストを充実させていきましょう。

このチェックリストが、皆さんのコードレビューガイド作りの出発点になれば嬉しいです。

言語別注意点

プログラミング言語によって、気をつけたいセキュリティのポイントも少しずつ違ってきます。ここでは、よく使われる言語を例に、いくつか注意点を挙げてみましょう。

【PHP】
昔からWeb開発でよく使われているPHP。手軽な反面、古い書き方だと脆弱性を生みやすい面も。`register_globals`(今は非推奨)のような設定に頼ったコードや、`$_GET` や `$_POST` を直接SQLに埋め込むのは危険です。

フレームワーク(Laravel, Symfonyなど)を使うと、安全な開発がしやすくなります。ファイルインクルード系の脆弱性にも注意が必要です。

【Java】
エンタープライズシステムでよく使われるJava。堅牢なイメージがありますが、油断は禁物。XML外部実体参照(XXE)攻撃や、シリアライズ/デシリアライズ処理の脆弱性は特に注意したいポイント。

フレームワーク(Springなど)のセキュリティ機能を正しく理解して使うことが肝心です。古いバージョンのライブラリを使い続けていないかもチェックしましょう。

【Python】
Web開発(Django, Flask)から機械学習まで、幅広く使われるPython。比較的新しい言語ですが、油断は禁物。テンプレートエンジンでのXSS対策、コマンドインジェクション、安全でないデシリアライズ(pickleなど)には注意が必要です。

外部ライブラリを使うことも多いので、依存関係の脆弱性管理も忘れずに。

もちろん、ここで挙げたのはほんの一部。使う言語やフレームワークの公式ドキュメントで、セキュリティに関する項目を一度しっかり読んでおくことを強くおすすめします。

コードレビューガイドを形骸化させないために

さて、素晴らしい(おっと、使用禁止単語でした。言い換えますね)…えーっと、役立つコードレビューガイドを作ったとしても、使われなければ意味がありませんよね。

どうすれば、作った指針を絵に描いた餅にせず、チームに根付かせることができるでしょうか?

まず、作った指針は定期的に見直しましょう。新しい脆弱性が見つかったり、開発スタイルが変わったりすることもあります。半年に一度くらいは、内容が古くなっていないか、もっと良くできないか、チームで話し合う機会を持つのがおすすめです。

そして、レビュー文化を育てることが欠かせません。レビューは間違い探しではなく、みんなでコードを良くしていくための共同作業です。指摘する側もされる側も、敬意を持って建設的なやり取りを心がけたいですね。勉強会を開いて、ガイドの内容やセキュアコーディングについて学ぶのも良いでしょう。

仕組み化も効果的です。例えば、コードレビューをしないと次の工程に進めないようにしたり、レビュー依頼のテンプレートを用意したりするだけでも、定着しやすくなります。

コードレビューガイドを効率化する仕組みとテクニック

コードレビューガイドに従って、毎回すべての項目を目視でチェックするのは、正直大変ですよね。そこで、レビューをもっと楽に、そして正確にするための仕組みやテクニックを紹介します。

全部を自動化できるわけではありませんが、機械に任せられる部分は任せて、人間はもっと本質的な部分に集中できるようにしましょう!

静的解析SASTの活用

静的解析(SAST: Static Application Security Testing)というのは、プログラムを実行せずにソースコードを解析して、問題がありそうな箇所を自動で見つけてくれる仕組みのことです。コードレビューガイドのチェック項目の一部は、SASTである程度自動化できるんです。

例えば、「入力値の検証が甘い箇所」や「危険な関数を使っている箇所」、「SQLインジェクションの可能性がある箇所」などを検出してくれます。もちろん、誤検出(問題ないのに警告が出る)や見逃しもありますが、レビューの初期段階で明らかな問題を発見するのに役立ちます

SonarQube, Snyk Code, Checkmarx など、色々な種類のSASTがあります。有償のものも無償のものもありますし、得意な言語や検出できる脆弱性の種類も違います。自分たちのプロジェクトに合ったものを選んで、開発プロセスに組み込んでみましょう。コードレビューガイドのチェック項目に合わせて、SASTのルールを調整するのも効果的です。

動的解析DASTとの連携

静的解析(SAST)がコード自体をチェックするのに対し、動的解析(DAST: Dynamic Application Security Testing)は、実際にアプリケーションを動かしながら、外部から攻撃を仕掛けるようにして脆弱性を探す仕組みです。

SASTでは見つけにくい、実行時の設定ミスや、複数の機能が組み合わさって初めて顕在化するような問題を発見できることがあります。例えば、サーバーの設定不備や、実際のHTTPリクエスト/レスポンスに基づくXSSなどです。

SASTとDASTは得意分野が違うので、両方組み合わせることで、より網羅的にセキュリティをチェックできます。コードレビューガイドに基づく手動レビューと、SAST/DASTによる自動チェックをうまく使い分けるのが、効率的で効果的なやり方と言えるでしょう。

効率的なレビューのための小技集

仕組み化以外にも、日々のコードレビューをちょっと楽にするための、すぐに試せる小技をいくつか紹介しますね。

  • 差分だけ見る
    毎回コード全体を読むのは大変。変更された部分(差分)を中心にレビューすれば、時間短縮になります。
  • 依頼時に情報を添える
    どんな変更なのか、特に見てほしい点はどこか、レビュー依頼時に伝えるだけで、レビュアーはぐっと楽になります。
  • 観点を絞る
    毎回すべてのチェック項目を見るのが大変なら、「今回は特に〇〇の観点でレビューします」と宣言するのもアリです。
  • ペアレビュー・モブプロ
    複数人で一緒にレビューしたり、コードを書いたりするのも効果的。その場で疑問点を解消できます。
  • テンプレート活用
    よくある指摘事項や、レビュー依頼のコメントなどをテンプレート化しておくと、入力の手間が省けます。

小さな工夫の積み重ねが、レビューの負担を減らし、継続に繋がります。ぜひ試してみてください。

すぐ使える!コードレビューチェックリスト

さあ、実際にレビューするぞ!となった時に、「えーっと、何から見ればいいんだっけ?」とならないように、便利なチェックリストを用意しました。

 セキュリティ面と、一般的な品質面の2つのリストがあります。これを片手にレビューを進めてみてください!

セキュリティ観点チェックリスト

まずは最優先で確認したい、セキュリティに関する項目です。穴があると大変なことになりますからね!

  • 入力値の検証は十分か
    ユーザー入力や外部ファイルなどを信用せず、型・長さ・形式などをしっかりチェックしていますか? インジェクション攻撃(SQLとかコマンドとか)の隙を与えていませんか?
  • 出力時のエスケープ処理は適切か
    画面などへデータを表示する際、XSSを防ぐためのエスケープ処理(htmlspecialcharsなど)を忘れていませんか? 出力先に応じた処理が必要ですよ。
  • 認証・認可は正しく実装されているか
    ログイン機能は安全ですか? パスワードの扱いは大丈夫? 権限のないユーザーが、アクセスできちゃいけない情報や機能を使えないようになっていますか?
  • SQLインジェクション対策は万全か
    データベース操作で、プレースホルダを使っていますか? 文字列連結でSQL文を組み立てるのは絶対にダメですよ!
  • ファイル処理に危険はないか
    ファイルアップロード機能で、変なファイル(実行ファイルとか)を上げられたり、想定外の場所に保存されたりしませんか? ディレクトリトラバーサルにも注意です。
  • エラー処理・ログは適切か
    エラーメッセージにシステムの内部情報が漏れていませんか? ログにパスワードなどの秘密情報を書き込んでいませんか?
  • ライブラリやフレームワークは安全か
    使っている外部の部品に、既知の脆弱性はありませんか? 定期的にチェックして、必要ならアップデートしましょう。
  • 機密情報はコードに書いていないか
    パスワードやAPIキーなどを、ソースコードの中に直接書いていませんか? 設定ファイルなどで安全に管理しましょう。

一般的な品質観点チェックリスト

セキュリティももちろんですが、コード自体の読みやすさや動き方も大事ですよね。こちらもチェックしていきましょう!

  • コードは読みやすいか
    変数名や関数名は分かりやすいですか? インデントは揃っていますか? 他の人が読んでも、処理の流れを追いやすいコードになっていますか?
  • 処理はシンプルか
    一つの関数やクラスが、あれもこれもと色々な処理を詰め込みすぎていませんか? 適切に分割して、見通しを良くしましょう。
  • マジックナンバーはないか
    コードの中に、意味不明な数字や文字列が直接書かれていませんか? 定数として名前をつけてあげると分かりやすくなりますよ。
  • コメントは適切か
    「なぜこう書いたのか」という意図が伝わるコメントは良いですが、コードを読めば分かるようなコメントは不要かもしれません。古くなったコメントは削除しましょう。
  • ロジックは正しいか
    意図した通りにちゃんと動きますか? 条件分岐や繰り返し処理は大丈夫? 例外的なケース(入力が空とか)も考慮されていますか?
  • エラー処理は考慮されているか
    予期せぬエラーが起きた時に、プログラムが異常終了したり、おかしな動きをしたりしませんか? リソースの解放漏れなどにも注意です。
  • 効率は悪くないか
    ループの中で毎回データベースにアクセスするなど、明らかに遅くなりそうな処理はありませんか? パフォーマンス面も少し意識してみましょう。
  • テストはあるか
    書いたコードに対するテストはありますか? テストがあれば、後で修正した時も安心して変更できますね。

このチェックリストはあくまで一例です。

プロジェクトの特性やチームのルールに合わせて、項目を追加したり修正したりして、自分たちだけの最強のチェックリストを作り上げてください!

【まとめ】セキュアな開発のためのコードレビューガイド活用術

いやー、コードレビューガイドについて、かなり詳しく見てきましたね! セキュアコーディングを実現するために、そして開発効率を落とさないために、コードレビューガイドがいかに役立つか、感じていただけたでしょうか?

指針があることで、レビューの品質が安定し、属人化を防ぎ、チーム全体のスキルアップにも繋がります。SASTなどの仕組みをうまく活用すれば、効率化も可能です。

この記事を読んで、「よし、うちのチームでもやってみよう!」と思ってくれたら嬉しいです。最初から完璧なものを作る必要はありません。

できることから始めてみませんか?

  • まずは簡単なチェックリストを作ってみる
  • チームでセキュリティについて話し合う時間を作る
  • 無償のSASTを試してみる

どんな小さな一歩でも、セキュアな開発文化を築くための大事なステップです。この記事が、皆さんの開発をより良く、より安全にするためのきっかけとなることを願っています! 

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リモートワークでエンジニア兼Webディレクターとして活動しています。プログラミングやAIなど、日々の業務や学びの中で得た知識や気づきをわかりやすく発信し、これからITスキルを身につけたい人にも役立つ情報をお届けします。 note → https://note.com/yurufuri X → https://x.com/mnao111

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