【Java初心者向け】breakとcontinueの違いを5分で理解!ループ制御を完全マスター

2025年8月14日木曜日

Java

Javaのbreakとcontinueは、ループ処理を柔軟に制御するために欠かせない構文です。しかし、それぞれの役割や使い分けに戸惑うプログラミング学習者も少なくありません。

この記事では、ループ処理の基本から、breakとcontinueの明確な違い、そして実践的な使い方までをサンプルコード付きで丁寧に解説します。この記事を読み終える頃には、2つの構文を自在に操れるようになっているでしょう。

この記事で学べること

  • break文の基本的な使い方
  • continue文の基本的な使い方
  • breakとcontinueの明確な違いと使い分け
  • 実践的な7つのコーディングテクニック
  • よくあるエラーとその回避策

Javaのbreakとcontinueとは?

ここでは、ループ制御の基本と、Javaにおけるbreakとcontinueがどのような役割を担うのか、その全体像をつかみます。プログラミングにおいて繰り返し処理は非常に重要であり、それをいかに効率よく制御するかがポイントになります。

そもそもループ処理とは?

ループ処理は、同じ、あるいは似たような処理を特定の回数だけ繰り返すための仕組みです。例えば、配列の要素を一つずつ取り出して画面に表示したり、1から100までの数字を足し算したりする場合に利用します。

Javaには主に`for`文や`while`文といったループ構文が用意されています。

ループを制御するbreakとcontinueの役割

単純な繰り返しだけでは、複雑な処理は実現できません。そこで登場するのが`break`と`continue`です。

  • break: ループ自体を完全に中断し、ループの次の処理へ進む。
  • continue: 現在の回の処理だけを中断し、次の回の処理へ進む。

例えるなら、`break`は「処理の中止命令」、`continue`は「今回はパス」というイメージを持つと分かりやすいでしょう。

Javaのbreak文を学ぼう【ループからの脱出】

ここでは、ループを強制的に終了させる`break`文について深掘りします。基本的な構文から、`for`文、`while`文、そして`switch`文での具体的な使い方をコードで確認していきましょう。

  • break文の基本的な構文
  • for文でのbreakの使い方
  • while文でのbreakの使い方
  • switch文におけるbreakの役割

break文の基本的な構文

break文の構文は非常にシンプルです。ループ処理やswitch文の中で、条件分岐の`if`文と組み合わせて使うのが一般的です。

break;

for文でのbreakの使い方

`for`文の中で特定の条件が満たされたときに、ループを途中で抜けることができます。例えば、配列の中から特定の数値を見つけたら、それ以降の検索は不要なのでループを終了させます。

// 1から10までの数値を出力し、7になったらループを抜ける
for (int i = 1; i <= 10; i++) {
    if (i == 7) {
        System.out.println("7を発見したので処理を中断します。");
        break; // ループを脱出
    }
    System.out.println(i);
}

実行結果

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7を発見したので処理を中断します。

while文でのbreakの使い方

`while`文でも同様に`break`は機能します。無限ループと組み合わせて、特定の入力があった場合に処理を終了させる、といった使い方がよく見られます。

import java.util.Scanner;

public class WhileBreakExample {
    public static void main(String[] args) {
        Scanner scanner = new Scanner(System.in);
        while (true) { // 無限ループ
            System.out.print("'exit'と入力してください: ");
            String input = scanner.next();
            if (input.equals("exit")) {
                break; // "exit"が入力されたらループを抜ける
            }
        }
        System.out.println("プログラムを終了します。");
        scanner.close();
    }
}

実行結果

'exit'と入力してください: java
'exit'と入力してください: hello
'exit'と入力してください: exit
プログラムを終了します。

switch文におけるbreakの役割

`switch`文における`break`は、ループ制御とは少し役割が異なります。これは、ある`case`の処理が完了した後、後続の`case`が実行されるのを防ぐ(フォールスルーを防ぐ)ために使われます。

int signal = 1; // 1:青, 2:黄, 3:赤

switch (signal) {
    case 1:
        System.out.println("進め");
        break; // breakがないと、case 2の処理も実行されてしまう
    case 2:
        System.out.println("注意");
        break;
    case 3:
        System.out.println("止まれ");
        break;
    default:
        System.out.println("信号機が故障");
        break;
}

Javaのcontinue文を理解しよう【処理のスキップ】

次に、現在の回の処理をスキップして次の回に進む`continue`文を見ていきます。`break`がループ全体を止めるのに対し、`continue`は特定の回だけを飛ばすのが特徴です。`for`文と`while`文での挙動を学びましょう。

  • continue文の基本的な構文
  • for文でのcontinueの使い方
  • while文でのcontinueの使い方

continue文の基本的な構文

continue文の構文も`break`と同様にシンプルです。ループの中で、特定の条件に合致した場合にその回の処理をスキップするために使います。

continue;

for文でのcontinueの使い方

`for`文の中で特定の条件に合致したとき、その回の処理をスキップして次の繰り返しに進みます。例えば、奇数だけを出力したい場合、偶数のときは`continue`で処理を飛ばします。

// 1から10までの数値のうち、奇数のみを出力する
for (int i = 1; i <= 10; i++) {
    if (i % 2 == 0) { // iが偶数の場合
        continue; // 以降の処理をスキップして次のループへ
    }
    System.out.println(i);
}

実行結果

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while文でのcontinueの使い方

`while`文でも`continue`は同じように動作します。ただし、`continue`の前にカウンター変数の更新処理などを記述しないと、無限ループに陥る危険性があるため注意が必要です。

int i = 0;
while (i < 5) {
    i++; // continueの前にカウンターを更新する
    if (i == 3) {
        System.out.println("3はスキップします。");
        continue; // iが3のときはスキップ
    }
    System.out.println("現在の数値: " + i);
}

実行結果

現在の数値: 1
現在の数値: 2
3はスキップします。
現在の数値: 4
現在の数値: 5

Javaのbreakとcontinueの決定的な違い

ここでは、最も混同しやすい`break`と`continue`の違いを解説します。両者の動作の違いをコードで比較し、どのような基準で使い分けるべきかを明らかにします。

  • 一目でわかる!処理の流れの比較
  • サンプルコードで見る実行結果の違い
  • 使い分けの判断基準

一目でわかる!処理の流れの比較

アスキーアートで両者の処理フローの違いを見てみましょう。`break`はループの外へ、`continue`はループの先頭へ処理が飛ぶのが分かります。

【breakのイメージ】
  ループ開始
      ↓
  処理A
      ↓
  if (条件) → break → ループの外へ
      ↓ (false)
  処理B
      ↓
  次の回へ

【continueのイメージ】
  ループ開始
      ↓
  処理A
      ↓
  if (条件) → continue → 次の回へ
      ↓ (false)
  処理B
      ↓
  次の回へ

サンプルコードで見る実行結果の違い

両者の違いを明確にするため、同じような処理を`break`と`continue`それぞれで実装した結果を比較します。

項目 breakを使った場合 continueを使った場合
目的 3を見つけたら処理を終了する 3だけを除外して処理を続ける
コード
for (int i=1; i<=5; i++) {
  if (i == 3) {
    break;
  }
  System.out.println(i);
}
for (int i=1; i<=5; i++) {
  if (i == 3) {
    continue;
  }
  System.out.println(i);
}
実行結果
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使い分けの判断基準

どちらを使うべきか迷ったら、以下の基準で判断するとよいでしょう。

  • breakを使うとき
    • ループの目的が達成されたとき。これ以上ループを続ける必要がない場合。(例:検索対象が見つかった)
  • continueを使うとき
    • 特定のデータだけを処理の対象外としたいとき。ループ自体は最後まで続けたい場合。(例:エラーデータを除外する)

Javaのbreakとcontinueを使いこなす7つの実践テクニック

ここでは、`break`と`continue`を実際の開発でどのように活用するのか、7つの具体的なシナリオを通して解説します。基本的な使い方だけでなく、多重ループを制御する「ラベル付き」構文といった、一歩進んだテクニックも紹介します。

  • 1. 特定の要素を配列から検索する
  • 2. 条件に合わないデータを除外して処理する
  • 3. 無限ループと組み合わせて使う
  • 4. 多重ループから一気に脱出する(ラベル付きbreak)
  • 5. 入力値のバリデーションチェック
  • 6. 特定の処理をスキップして次のループへ(ラベル付きcontinue)
  • 7. パフォーマンスを意識した使い方

1. 特定の要素を配列から検索する

配列を線形探索し、目的の要素が見つかった瞬間に`break`でループを抜けます。これにより、不要な検索処理を省き、効率を上げられます。

int[] numbers = {10, 25, 33, 48, 50};
int target = 33;
boolean found = false;

for (int num : numbers) {
    if (num == target) {
        found = true;
        System.out.println(target + " を見つけました。");
        break; // 目的の数値が見つかったのでループを終了
    }
}

2. 条件に合わないデータを除外して処理する

リストに含まれるデータの中から、負の値や無効なデータを除外して合計を計算するようなケースで`continue`が役立ちます。

int[] scores = {80, -10, 95, 70, -5};
int total = 0;
int count = 0;

for (int score : scores) {
    if (score < 0) {
        System.out.println("無効な点数です。スキップします。");
        continue; // 負の値は計算に含めない
    }
    total += score;
    count++;
}
System.out.println("有効な点数の平均: " + (double)total / count);

3. 無限ループと組み合わせて使う

ユーザーが特定の操作を行うまで処理を待ち続ける、といった実装で`while(true)`と`break`の組み合わせがよく使われます。

4. 多重ループから一気に脱出する(ラベル付きbreak)

九九の表で特定の積になる組み合わせを見つけたら、内側だけでなく外側のループも一気に抜けたい場合があります。その際に「ラベル」が有効です。

ラベル付きbreakとは?
通常の`break`は、自身が含まれる最も内側のループしか抜けられません。しかし、`break ラベル名;`と記述することで、指定したラベルが付いたループ構文まで一気に脱出できます。コードの可読性が下がる場合もあるため、使い所には注意が必要ですが、非常に強力な機能です。

outer_loop: // 外側のループにラベルを付ける
for (int i = 1; i <= 9; i++) {
    for (int j = 1; j <= 9; j++) {
        if (i * j == 42) {
            System.out.println("積が42になる組み合わせ: " + i + " * " + j);
            break outer_loop; // ラベルを指定して外側のループも抜ける
        }
    }
}

5. 入力値のバリデーションチェック

ユーザーからの入力が要件を満たしているかチェックし、満たしていない場合は`continue`で再入力を促す、という処理も一般的です。

6. 特定の処理をスキップして次のループへ(ラベル付きcontinue)

`break`と同様に`continue`にもラベルを付けることができます。`continue ラベル名;`とすると、指定したラベルのループの次の回へ処理を移せます。

7. パフォーマンスを意識した使い方

何百万件ものデータを処理する際、不要なループを`break`で早期に中断することは、処理時間の大幅な短縮につながります。

Javaのbreak/continueで注意すべき点とよくあるエラー

ここでは、`break`と`continue`を使う上で初心者が陥りがちなミスや注意点を解説します。無限ループや意図しない処理の実行といった、よくあるエラーを未然に防ぎましょう。

  • 無限ループを発生させてしまうケース
  • switch文でのbreakの書き忘れ
  • 使いすぎによる可読性の低下

無限ループを発生させてしまうケース

`while`文で`continue`を使う際には特に注意が必要です。ループの継続条件を更新する処理よりも前に`continue`が実行されると、無限ループに陥ってしまいます。

無限ループの危険な例

// これは無限ループになる悪い例
int i = 0;
while (i < 5) {
    if (i == 3) {
        continue; // iが3のまま、i++に到達しない
    }
    System.out.println(i);
    i++;
}

このコードでは、`i`が3になると`i++`が実行されずに`continue`されるため、永遠に`i`が3のままループし続けます。必ず更新処理がスキップされない位置に記述しましょう。

switch文でのbreakの書き忘れ

`switch`文の各`case`の末尾に`break`を書き忘れると、処理が下の`case`に流れ込んでしまう「フォールスルー」という現象が発生します。意図したものでない限り、`break`は必ず記述するように心がけましょう。

使いすぎによる可読性の低下

`break`や`continue`、特にラベル付きのものは、処理の流れを複雑にし、コードを読みにくくする原因になり得ます。多用するのではなく、メソッドを分ける、条件式を工夫するなど、よりシンプルな構造にできないか検討するのも重要です。

プログラミングの可読性を高める考え方は、『リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック』のような書籍で学ぶことができます。

【発展】break/continue以外のループ制御方法

ここでは、`break`や`continue`の代替となる、よりモダンなループ制御の方法を紹介します。Java 8から導入されたStream APIなど、現代的なJavaの書き方を身につけて、コードの表現力を高めましょう。

  • return文との違い
  • Stream APIを使ったモダンな書き方

return文との違い

`return`文もループを終了させることができますが、`break`との大きな違いはその影響範囲です。

  • break: 現在のループのみを終了させる。
  • return: メソッド全体の処理を終了させ、呼び出し元に制御を戻す。

ループを抜けた後も同じメソッド内で処理を続けたい場合は`break`、メソッド自体の目的が達成されたので終了する場合は`return`を使います。

Stream APIを使ったモダンな書き方

Java 8以降では、コレクションに対する繰り返し処理をより宣言的に記述できるStream APIが利用できます。`break`や`continue`の役割は、`filter`や`findFirst`といった中間操作や終端操作で代替できます。

import java.util.List;
import java.util.Arrays;

List<Integer> numbers = Arrays.asList(1, 2, 3, 4, 5);

// continueの代替 (3を除外して出力)
numbers.stream()
       .filter(n -> n != 3)
       .forEach(System.out::println);

// breakの代替 (3を見つけたら処理を終了)
numbers.stream()
       .filter(n -> n == 3)
       .findFirst() // 最初に見つかった要素をOptionalで返す
       .ifPresent(n -> System.out.println(n + " を見つけました。"));

Stream APIを使うと、何をしたいのかが明確になり、コードが簡潔になることが多いです。
より詳しい情報は、公式ドキュメントで確認できます。

参考:Oracle Java Tutorials - Branching Statements

まとめ

Javaの`break`と`continue`は、ループ処理に柔軟性を与える強力なツールです。この記事で学んだポイントを振り返ってみましょう。

  • `break`はループ処理を完全に中断する。
  • `continue`は現在の回の処理だけをスキップする。
  • `while`文での`continue`は無限ループに注意が必要。
  • 多重ループではラベル付き構文が便利。
  • Stream APIなど、代替手段も知っておくと表現の幅が広がる。

これらの違いと使い方を正しく理解すれば、より効率的で読みやすいコードを書けるようになります。まずは簡単なコードからでいいので、実際に手を動かして`break`と`continue`の動作を試してみてください。

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リモートワークでエンジニア兼Webディレクターとして活動しています。プログラミングやAIなど、日々の業務や学びの中で得た知識や気づきをわかりやすく発信し、これからITスキルを身につけたい人にも役立つ情報をお届けします。 note → https://note.com/yurufuri X → https://x.com/mnao111

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