C言語のデータ型とは?int, float, charの基本を初心者向けに解説

2025年4月14日月曜日

C言語

C言語のデータ型って、プログラミング学習で最初につまずきやすいポイントかもしれませんね。

「intとかfloatとかcharとか...呪文みたいで意味不明!」

なんて思っていませんか?

実は、データ型はコンピュータに「これからこんな種類の情報を扱うよ!」と教えるための、いわば『情報の種類宣言』なんです。料理でいうレシピの材料指定みたいなもので、これが決まらないと始まらない、基本中の基本なんです。

この記事では、C言語の心臓部ともいえるデータ型について、基礎の基礎からしっかり解説していきます。

この記事で学べること

  • データ型がなぜプログラムに必要なのか、その理由
  • C言語でよく使う基本的なデータ型の種類 (int, float, charなど)
  • プログラムでデータ型を実際に使う方法 (変数宣言ってやつです)
  • 初心者が「うっかり」やりがちなミスとその対策

C言語のデータ型とは?プログラムにおける役割を理解しよう

コンピューターって、実はすごく「真面目」で「言われたことしかできない」存在なんです。

だから、「これから数字を扱いたいんだけど、メモリをどれくらい用意すればいい?」とか「文字を扱いたいんだけど、どうすればいい?」って、私たちがちゃんと教えてあげる必要があるんです。

その「教える」役割を担うのが、データ型です。

データ型は、プログラムで扱うデータの「種類」と「大きさ」をコンピュータに伝えるための設計図みたいなもの。例えば、「この変数には整数を入れるよ!

だから整数が入る大きさのメモリを用意してね!」とか、「こっちの変数には小数点付きの数字を入れるから、それ用のメモリをお願い!」と指示するわけです。

もしデータ型がなかったら、コンピューターはどんなデータをどう扱っていいか分からず、メモリも効率的に使えません。計算だって正しくできるか怪しくなります。

だから、データ型はC言語プログラミングにはなくてはならない、土台となる仕組みなのですね。

(↓こんなイメージを持つと分かりやすいかも↓)

┌──────────┐ ← メモリという大きな棚

│ [ 整数用(int) ] │ ← データ型で「整数用」と指定された箱

│ [ 小数点用(float)] │ ← データ型で「小数点用」と指定された箱

│ [ 文字用(char) ] │ ← データ型で「文字用」と指定された箱

└──────────┘

C言語の基本的なデータ型の種類:まずはこれを覚えよう

C言語には色々なデータ型がありますが、初心者のうちは、まず以下の基本的な3つのグループを覚えればOK!

  • 整数型
    • 数字の中でも、小数点を含まない「整数」を扱うための型。(例 10, -5, 0)
  • 浮動小数点型
    • 小数点を含む数値を扱うための型。(例 3.14, -0.5)
  • 文字型
    • 一文字だけを扱うための型。(例 'A', 'z', '1')

まずは、これらの代表的な型をしっかり押さえていきましょう!

整数型 (int, short, long): 整数を扱うデータ型

整数を扱うデータ型の代表選手が `int` (イント)型です。プログラムで整数を使いたいときは、まず`int`型を思い浮かべると良いでしょう。

実は整数型には、`int` 以外にも仲間がいます。

  • `short` (または `short int`): `int`よりも小さい範囲の整数を扱う時に使います。メモリを少し節約できる場合があります。
  • `long` (または `long int`): `int`よりも大きな範囲の整数を扱いたい時に使います。

どれくらいの大きさの整数を扱えるか (メモリサイズ) は、プログラムを実行するコンピューター環境によって少し異なる場合がありますが、基本は`int`型を覚えておけば、多くの場面で対応できますよ。

浮動小数点型 (float, double): 小数点を扱うデータ型

円周率の3.14みたいに、小数点を含む数値を扱いたいときは、浮動小数点型の出番です。代表的なのは以下の2つ。

  • `float` (フロート)型: 小数点数を扱えます。
  • `double` (ダブル)型: `float`よりも、もっともっと細かい小数点以下の桁数まで、より正確に数値を扱えます。使うメモリ量は`float`より大きいですが、一般的に計算精度が高いので、迷ったら`double`を使うことが多いです。

例えば、お金の計算や科学技術計算など、精度が求められる場面では`double`がよく選ばれます。

文字型 (char): 1文字を扱うデータ型

アルファベットの 'A' や 'b'、数字の '1' や記号の '$' など、たった1文字だけをしまっておきたい時に使うのが `char` (チャーまたはキャラ)型です。

注意点として、`char`型で扱う文字は、シングルクォーテーション `' '` で囲む、というルールがあります。(例: `'A'`)

コンピューターの内部では、文字は実は数字(ASCIIコードなど)として管理されていますが、最初は「`char`は1文字を入れる箱」と覚えておけば大丈夫です。

C言語でのデータ型の使い方。変数宣言と初期化

データ型を覚えたら、いよいよプログラムで使ってみましょう! データ型を使うには、「変数」というものを用意します。変数は、データを入れておくための「名前付きの箱」のようなものです。

変数を使うには、まず「こんな名前で、このデータ型(種類)の箱を使いますよ!」とコンピューターに宣言する必要があります。これを変数宣言といいます。

書き方はシンプル!

データ型名 変数名;

例えば、`int`型の整数を入れるための `score` という名前の変数を使いたい場合は、こう書きます。

int score;

これで、`score` という名前の `int` 型の箱が用意されました。

さらに、変数宣言と同時に、箱の中に最初の値を入れておくこともできます。これを初期化といいます。

データ型名 変数名 = 初期値;

例を見てみましょう。

// int型の変数 score を宣言し、100 で初期化
int score = 100;

// double型の変数 average を宣言し、85.5 で初期化
double average = 85.5;

// char型の変数 grade を宣言し、'A' で初期化
char grade = 'A';

簡単ですよね? まずは「データ型 変数名;」で箱を用意して、「= 初期値」で最初の値を入れる、と覚えましょう!

C言語のデータ型の使い方

それでは、`int`, `double`, `char` を使った簡単なプログラム全体を見てみましょう。変数を用意して(宣言と初期化)、その中身を表示するプログラムです。

▼ サンプルプログラム (data_type_example.c)

#include <stdio.h>

int main(void) {
  // 整数型の変数を宣言し、初期化
  int age = 20;

  // 浮動小数点型の変数を宣言し、初期化
  double height = 175.8;

  // 文字型の変数を宣言し、初期化
  char initial = 'T';

  // 変数の値を表示する
  printf("年齢: %d 歳\n", age);
  printf("身長: %f cm\n", height);
  printf("イニシャル: %c\n", initial);

  return 0;
}

▼ 実行結果

年齢: 20 歳
身長: 175.800000 cm
イニシャル: T

どうでしょうか? 変数に格納した値が、ちゃんと表示されていますね! `printf` という命令で画面に出力しています。

サンプルプログラムの解説

先ほどのプログラムが何をやっているか、少し詳しく見ていきましょう。

#include <stdio.h>

これは、「標準入出力ライブラリ」という、文字の表示など便利な機能が詰まったものを使うためのおまじないです。`printf` を使うには必要になります。

int main(void) {
  // ここにプログラムの処理を書く
  return 0;
}

C言語のプログラムは、基本的に `main` という名前の関数(処理のまとまり)の中に書きます。`{` から `}` までが `main` 関数の範囲です。`return 0;` はプログラムが正常に終わったことを示す合図です。

  int age = 20;
  double height = 175.8;
  char initial = 'T';

ここで各データ型の変数を宣言し、初期化していますね。`age` には整数 `20`、`height` には小数点数 `175.8`、`initial` には文字 `'T'` が入っています。

  printf("年齢: %d 歳\n", age);
  printf("身長: %f cm\n", height);
  printf("イニシャル: %c\n", initial);

ここが値の表示部分です。`printf` は、`""` で囲まれた文字を基本的にはそのまま表示しますが、`%d` や `%f`、`%c` といった特別な記号があると、その部分を後ろで指定した変数の値に置き換えて表示します。

  • `%d` : `int` 型 (整数) の値を表示するための目印
  • `%f` : `float` 型や `double` 型 (浮動小数点数) の値を表示するための目印
  • `%c` : `char` 型 (文字) の値を表示するための目印

これらの `%` から始まる記号を書式指定子と呼びます。データ型に合わせて正しい書式指定子を使うのがポイントです! `\n` は改行を意味します。

C言語のデータ型を使う上での注意点

データ型は便利ですが、いくつか気をつけるべき点があります。初心者がよくハマるポイントでもあるので、しっかり確認しておきましょう!

データ型のサイズと扱える範囲 (オーバーフロー)

各データ型(特に `int` や `short` など)には、扱える数値の「範囲」が決まっています。これは、用意されるメモリの箱の大きさが有限だからです。

例えば、すごく小さな箱 (`short` 型とか) に、とてつもなく大きな整数を無理やり入れようとするとどうなるでしょう?
答えは、「入りきらずに溢れてしまう」です。これを オーバーフロー と呼びます。

オーバーフローが起こると、数値が一周してしまって、全く意図しない小さな値になったり、マイナスの値になったりすることがあります。これはプログラムのバグの原因になるので注意が必要です。

自分が扱う数値が、選んだデータ型の範囲に収まるかどうかを意識することが肝心です。もし大きな数値を扱う可能性があるなら、`int` より `long` を使う、などを検討しましょう。

ちなみに、自分の環境で各データ型がどれくらいのメモリサイズ(バイト数)を使うかは、`sizeof` 演算子を使うと調べられますよ。(例: `sizeof(int)`)

違うデータ型同士の計算と型変換 (キャスト)

例えば、`int` 型の変数と `double` 型の変数を足し算するなど、違うデータ型同士で計算を行う場面があります。

C言語では、多くの場合、コンピューターが「よしなに」データ型を一時的に揃えて計算してくれます(暗黙的な型変換)。例えば `int` と `double` の計算なら、`int` の値が一時的に `double` に格上げされて計算されることが多いです。

しかし、注意が必要なのは、逆のパターン。例えば、`double` 型の値を `int` 型の変数に入れようとする場合です。

double pi = 3.14159;
int integerPi;

integerPi = pi; // double型の値をint型に入れようとしている

この場合、`int` 型は整数しか扱えないので、小数点以下の `0.14159` はバッサリ切り捨てられてしまいます! 結果、`integerPi` には `3` だけが入ることになります。情報が失われてしまうわけですね。

このように、意図的にデータ型を変換したい場合は、キャストという操作を使うこともできます。書き方は `(変換したいデータ型名)値` です。

double pi = 3.14159;
int integerPi;

integerPi = (int)pi; // キャストを使って、意図的にint型に変換

キャストを使うと、「小数点以下が切り捨てられるのを承知の上で、整数部分だけを取り出したい」という意図を明確に示すことができます。意図しないデータ損失を防ぐためにも、型変換の挙動は意識しておきましょう。

【まとめ】C言語のデータ型を理解してプログラミングの第一歩を踏み出そう

お疲れ様でした! C言語のデータ型について、基本的なところは掴めたでしょうか?

今回のポイントをまとめると、

  • データ型は、扱うデータの種類と大きさを決める設計図!メモリ確保や正しい計算に不可欠。
  • 基本は `int` (整数), `double` (小数点数), `char` (1文字) を覚えよう!
  • 変数は `データ型名 変数名;` で宣言、`= 初期値;` で初期化。
  • `printf` で表示するときは `%d`, `%f`, `%c` などの書式指定子を使い分ける。
  • 扱える数値の範囲 (オーバーフロー) や、違う型同士の計算 (型変換) には注意が必要。

データ型は、C言語を学ぶ上で避けては通れない、本当に基礎となる部分です。難しく感じたかもしれませんが、プログラムを書いていくうちに、自然と身についていくはずです。

今回学んだことを土台にして、変数を使った計算や、条件分岐、繰り返しといった、さらに面白いプログラムの世界に進んでいきましょう! 


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