Go言語のメリット・デメリットって、実際のところどうなのでしょうか?
プログラミング学習を始めようとしている方や、次に学ぶ言語を探している方にとって、言語選びは結構悩ましい問題ですよね。特にGo言語は、シンプルで速い!なんて聞くけれど、本当に自分に合っているのか、気になるところでしょう。
巷では「Go言語イイよ!」という声もあれば、「いや、ちょっと待った!」という意見も見かけます。実際のところ、どんな良い点があって、どんな点に注意が必要なのでしょうか。
この記事では、Go言語の良いところ(メリット)と、知っておくべき少し残念なところ(デメリット)を、包み隠さず、分かりやすく解説していきます! 肩の力を抜いて、コーヒーでも飲みながら読んでみてくださいね。
この記事を読むことで、こんなことがわかります。
- Go言語がどんな言語か、ざっくりと理解できる
- Go言語を学ぶ上での具体的なメリットを知ることができる
- Go言語を使う際に注意すべきデメリットを把握できる
- どんな開発にGo言語が向いているのかイメージできる
- 自分がGo言語を学ぶべきか、判断するための材料が手に入る
さあ、Go言語の世界を覗いてみましょう!
Go言語の主なメリット【知っておくべき強み】
まずは、Go言語が「イイね!」と言われる理由、つまりメリットから見ていきましょう。Go言語を選ぶことで、どんな嬉しいことがあるのでしょうか? 主な強みをピックアップして紹介しますね。
メリット1. シンプルな文法で学びやすい
Go言語の大きな魅力の一つは、その文法がとてもシンプルなことです。プログラミング言語にはそれぞれ書き方のルール(文法)がありますが、Go言語は覚えるべきルールが比較的少なく、書き方も一貫しています。
例えば、他の言語だと何通りも書き方があるような処理も、Go言語では「こう書くのが普通」というスタイルがある程度決まっています。これは、初心者にとって、
- 覚えることが少なくて済む
- 他の人が書いたコードも読みやすい
- 書き方に迷う時間が減る
といったメリットにつながります。学習を始めたばかりの時期に、複雑なルールに振り回されにくいのは嬉しいポイントでしょう。
メリット2. 処理が速い!実行速度とパフォーマンス
Go言語は、書いたコードをコンピューターが直接理解できる言葉(機械語)に事前に変換(コンパイル)してから実行するタイプの言語です。これにより、プログラムの実行速度が非常に速いのが特徴です。
Webサービスのように、たくさんのアクセスを同時に処理したり、素早い反応が求められたりするシステムを作る場面では、この速さが大きな武器になります。
PythonやRubyのような、実行時にコードを一行ずつ解釈していくタイプの言語と比べると、一般的にGo言語の方が高速に動作することが多いでしょう。サクサク動くアプリケーションは、作る側も使う側も気持ちが良いものですよね。
メリット3. 並行処理が簡単に書ける (Goroutine)
現代のコンピューターは、複数の作業を同時にこなすのが得意です。
Go言語には、この「同時に複数の処理を行う(並行処理)」を、比較的簡単に、そして効率よく書くための仕組みが備わっています。それがGoroutine(ゴルーチン)とChannel(チャネル)です。
たくさんの処理を同時に、しかも効率的に動かせるというのは、例えば、Webサーバーが多くのユーザーからのリクエストに素早く応答するために役立ちます。
まるで、たくさんの頼み事を、優秀なアシスタントたちが手分けして、サッと片付けてくれるようなイメージでしょうか。この並行処理の書きやすさは、Go言語が選ばれる大きな理由の一つとなっています。
// 簡単なGoroutineの例(イメージ) package main import ( "fmt" "time" ) func say(s string) { for i := 0; i < 3; i++ { time.Sleep(100 * time.Millisecond) fmt.Println(s) } } func main() { go say("こんにちは") // say関数を並行処理で実行 say("さようなら") } // 表示結果(実行ごとに順序が変わる可能性がある) // さようなら // こんにちは // さようなら // こんにちは // さようなら // こんにちは
(上記のコードは、雰囲気をつかんでもらうための簡単な例です)
メリット4. 豊富な標準ライブラリ
プログラミングでは、よく使う機能(例えば、Webサーバーを動かす機能、データを特定の形式で扱う機能など)を部品としてまとめた「ライブラリ」というものを利用します。
Go言語は、開発でよく必要になる基本的な機能の多くが、標準ライブラリとして最初から用意されています。
これは、言語をインストールすれば、特別な追加設定なしに、すぐにWeb関連の機能や、データの読み書き、テストといった様々な機能を使えるということです。
あれこれライブラリを探してきて追加する手間が省けるので、開発をスムーズに始めやすいのは嬉しい点と言えるでしょう。「電池付きのおもちゃ」みたいに、買ってすぐに遊べる手軽さに似ているかもしれません。
Go言語の注意すべきデメリット【学習前に考慮したい点】
さて、良いところばかりではありません。
Go言語にも、ちょっと残念な点や、学習・利用する上で知っておきたい注意点(デメリット)があります。メリットだけでなく、こちらも正直に見ていきましょう。
デメリット1. 他言語に比べるとライブラリ・フレームワークの種類は少なめ
Go言語は比較的新しい言語ということもあり、JavaやPythonといった長い歴史を持つ言語と比べると、世の中に出回っているライブラリや、開発を効率化する「フレームワーク」と呼ばれる道具の種類や数が、まだ少ない傾向にあります。
基本的な開発に必要なものは標準ライブラリでカバーされていることが多いですが、少し特殊な処理をしたい場合や、特定の分野でデファクトスタンダードとなっているようなフレームワークを使いたい場合に、選択肢が限られる、あるいは自分で工夫する必要が出てくる場面があるかもしれません。
もちろん、活発に開発は続けられているので、今後どんどん充実していく可能性は高いですが、現状では少し物足りなさを感じるケースもありえます。
デメリット2. エラーハンドリングの記述が冗長になりやすい
プログラムでは、予期せぬ問題(エラー)が起こる可能性があります。
Go言語では、エラーが起きたかどうかをチェックし、もし起きていたら対応する、という処理を比較的頻繁に書く必要があります。具体的には `if err != nil { ... }` というような記述をよく見かけます。
これは、エラーを見逃さずにきちんと対処するための、Go言語の設計思想の表れでもあるのですが、結果として、エラーチェックのためのコードが繰り返し現れ、コード全体が少し長く、冗長に見えてしまうことがあります。
シンプルさを目指しているGo言語の中で、ここは少し好みが分かれる点かもしれません。
// エラーハンドリングの記述例(イメージ) package main import ( "fmt" "os" ) func main() { file, err := os.Open("存在しないファイル.txt") // ここでエラーチェック! if err != nil { fmt.Println("ファイルを開けませんでした:", err) return // エラーがあったら処理を中断 } defer file.Close() // deferで後片付けを予約 // ファイルに対する処理... (エラーがあればここでもチェックが必要になる場合がある) }
このように、処理の区切りごとにエラーチェックが入ることが多くなります。
デメリット3. Generics(ジェネリクス)は比較的新しい機能
長年、Go言語には「Generics(ジェネリクス)」という機能がありませんでした。
これは、様々なデータ型に対応できる、柔軟な関数やデータ構造を作るための仕組みです。多くのプログラミング言語で採用されている便利な機能なのですが、Go言語では長い間サポートされていませんでした。
最近になってようやくGenericsが導入されましたが、まだ比較的新しい機能であるため、コミュニティ全体での活用方法や、こなれた書き方(ベストプラクティス)が確立されきっていない面があります。
古い情報やライブラリではGenericsが使われていなかったり、Genericsを使った新しい書き方にまだ慣れが必要だったりするかもしれません。便利な機能ではありますが、その歴史的経緯と現状は少し頭に入れておくと良いでしょう。
Go言語のメリット・デメリットを踏まえた得意な開発分野
ここまで見てきたGo言語のメリット(速い、並行処理が得意、シンプル)とデメリット(ライブラリの種類、エラー処理の書き方など)を踏まえると、Go言語が特に力を発揮しやすい開発分野が見えてきます。
具体的には、以下のような分野でGo言語はよく採用されています。
- Webサーバー・API開発
高速性と並行処理性能が求められるWebサービスのバックエンド開発に向いています。標準ライブラリだけで基本的なWebサーバーを立てられる手軽さも魅力です。 - マイクロサービス
独立した小さなサービスを連携させて大きなシステムを構築するマイクロサービスアーキテクチャにおいて、シンプルで起動が速いGo言語は相性が良いとされています。 - CLIツール開発
コマンドラインで動作する小さなツールを作るのにも適しています。コンパイル結果が単一の実行ファイルになるため、配布しやすいのも利点です。 - インフラ関連ツール
DockerやKubernetesといった、現代的なITインフラを支える重要なソフトウェアの多くがGo言語で開発されています。システムの裏側を支える、信頼性やパフォーマンスが求められる領域で活躍しています。
もし、あなたがこれらの分野に興味があるなら、Go言語は非常に有力な選択肢になるでしょう。
Go言語に関してよくある質問
Go言語のメリット・デメリットについて調べている方が、特に疑問に思いそうな点をQ&A形式でまとめてみました。
Q: Go言語はPythonやRubyと比べて、本当に初心者にとって簡単ですか?
Go言語の文法ルール自体は、比較的シンプルに設計されています。
そのため、覚えることは少ないかもしれません。
ただ、静的型付け(型を厳密に決める)や、並行処理(同時に複数の処理を行う)といった考え方は、プログラミングが全く初めての方や、Python/Rubyのような動的型付け言語に慣れている方には、少し戸惑う部分もあるでしょう。
Pythonなどは最初の「とっつきやすさ」があるかもしれませんね。
一方で、Go言語の明確なルールは、しっかりとしたプログラムの基礎を身につける上で良いとも言えます。
どちらが絶対的に簡単かは、個人の学習スタイルや好みにもよるでしょう。
Q: Go言語は、どんな仕事や求人で使われていますか?
Go言語は、特にWebサービスの裏側(バックエンド)の開発で人気があります。
たくさんの人が同時にアクセスするような、高い性能や信頼性が求められるシステムの開発でよく採用されていますね。
また、DockerやKubernetesといった、クラウドサービスを支える基盤技術(インフラ)の分野でも広く使われています。
求人を探す際は、Web系企業や、クラウド技術を扱う企業、あるいは開発効率を重視するスタートアップ企業などで、Go言語エンジニアの募集を見かけることが多いでしょう。
Q: Go言語の処理速度が速いことは、学習中の自分に何か良いことがありますか?
プログラミングを学んでいる最中では、言語の実行速度の違いを実感する機会は、正直なところ少ないかもしれません。
学習で作るプログラムは、そこまで大規模で複雑なものではないことが多いですからね。
しかし、Go言語がなぜ速いのか、その仕組み(コンパイル方式など)を理解しようとすることは、コンピューターがプログラムをどう動かしているかを知る良い勉強になります。
また、学習の成果として自分で作ったプログラムがキビキビと軽快に動くことを体験できるのは、単純に嬉しいですし、次のステップへ進むモチベーションにも繋がるはずです。
Q: ライブラリが少ないというのは、実際どれくらい困りますか?
Webサーバーを作ったり、データベースに接続したり、といった一般的な開発でよく使う機能については、Go言語の標準ライブラリや、広く使われている有名な外部ライブラリで、ほとんどカバーできます。
そのため、基本的な開発で困る場面は少ないでしょう。
ただし、非常に専門的な処理や、特定のニッチな機能を実現したい場合に、ちょうど良いライブラリが見つかりにくい可能性はあります。
Pythonの巨大なエコシステムと比べると、選択肢の幅で少し見劣りする場面はあるかもしれませんが、開発が全く進められない、というほどの問題になるケースは稀です。
Q: Go言語を学んだ後、次に学ぶとしたらどんな言語がおすすめですか?
次に何を学ぶかは、あなたの興味や目標次第ですね。
もし、Webページの見た目や動きを作る「フロントエンド」開発に興味が出てきたなら、JavaScriptは必須と言えるでしょう。
Go言語でバックエンド、JavaScriptでフロントエンド、という組み合わせは非常に一般的です。
あるいは、もっとコンピューターの動作原理に近い部分や、極限までパフォーマンスを追求したいなら、C言語やRustといった言語が候補になります。
データサイエンスや機械学習の分野に進みたいなら、Pythonが有力な選択肢です。
Go言語で学んだプログラミングの基礎や考え方は、どの言語を学ぶにしてもきっと役立ちますよ。
【まとめ】Go言語はあなたにとって「学ぶ価値あり」?
さて、Go言語のメリット・デメリット、そして得意分野について見てきました。
もう一度、ポイントを整理してみましょう。
Go言語の主なメリット
- シンプルな文法で、初心者でも比較的学びやすい
- プログラムの実行速度が速い
- 並行処理を簡単に、効率よく書ける
- 標準ライブラリが充実していて、開発を始めやすい
Go言語の注意すべきデメリット
- 他のメジャー言語と比べると、ライブラリやフレームワークの選択肢がまだ少ない
- エラーハンドリングのコードが少し冗長になりやすい
- Genericsは比較的新しい機能で、エコシステムが成熟途中
結局のところ、Go言語があなたにとって「学ぶ価値あり」かどうかは、あなたが何をしたいか、何を重視するかによります。
- Webサービスのバックエンド開発に挑戦したい!
- パフォーマンスが求められるツールを作りたい!
- シンプルで読みやすいコードを書きたい!
- 新しい技術や、モダンな開発スタイルに触れてみたい!
もし、こんな風に考えているなら、Go言語はきっとあなたの期待に応えてくれる、学ぶ価値のある言語です。多少のデメリットはありますが、それを補って余りある魅力と将来性を持っています。
【関連記事】 Go言語とは?特徴・できること・将来性
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