Go言語とは?特徴・できること・将来性を初心者向けに徹底解説

2025年4月16日水曜日

Go言語

Go言語とは、一体どんなプログラミング言語なのでしょうか? 最近名前をよく聞くけれど、何がどうすごいのか、いまいちピンと来ていない人もいるかもしれませんね。

「プログラミング、始めてみたいけど何からやろうかな…」と悩んでいる方の選択肢にも、Go言語は挙がってくるかもしれません。

この記事では、Go言語の「?」をスッキリ解消します! 基本的なところから、どんな特徴があって、何が作れて、学ぶとどんな良いことがあるのか、そして「私にもできるかな?」という疑問まで。

プログラミング経験が浅い方にも分かるように、専門用語はなるべく噛み砕いて、図なども(想像で補ってくださいね!)使いながら、丁寧にお伝えします。

この記事を読むと、こんなことが分かります。

  • Go言語がどんな言語なのか、その基本的な性格
  • Go言語が生まれた背景、Googleの狙い
  • Go言語のすごいところ(特徴)
  • Go言語で作れるもの、得意なこと
  • Go言語を学ぶと嬉しいこと(メリット)
  • Go言語を使う上でのちょっとした注意点
  • 初心者がGo言語を始めるための第一歩

読み終わる頃には、Go言語の魅力がきっと伝わっているはず。もしかしたら、あなたの未来を変える出会いになるかも? さあ、一緒にGo言語の世界を覗いてみましょう!

Go言語とは?シンプルさと効率性を兼ね備えたモダンな言語









まず結論から。Go言語は、「シンプルで分かりやすい書き方」「コンピューターの力を効率よく引き出す性能」を両立させた、イマドキのプログラミング言語です。2009年にGoogleによって発表されました。

プログラムを実行する前に、書いたコードに間違いがないかコンピューターがチェックしてくれる「静的型付け言語」であり、そのチェックが終わったらコンピューターが直接理解できる言葉(機械語)に翻訳(コンパイル)してから動く「コンパイル言語」の仲間です。

難しく聞こえるかもしれませんが、要するに「プログラムが動く前にエラーを見つけやすい」し、「動くスピードが速い」という良い性質を持っている、と考えてください。

Go言語は、C言語やC++のような実行速度の速さと、PythonやRubyのような書きやすさ・学びやすさの、いいとこ取りを目指して作られたイメージを持つと分かりやすいかもしれません。

なぜGo言語は生まれた?Google開発の背景と目的

Googleほどの大きな会社が、なぜわざわざ新しいプログラミング言語を作ったのでしょうか?

理由は、当時のGoogleが抱えていたソフトウェア開発の悩みにあります。Googleが扱うプログラムは、とてつもなく大規模で複雑。たくさんのエンジニアが協力して開発を進める中で、既存の言語では「開発に時間がかかる」「プログラムが複雑になりすぎる」「コンピューターの性能を使いこなせない」といった課題が出てきました。

そこで、「もっと速く開発できて、大規模になっても分かりやすくて、コンピューター(特にたくさんの計算を同時にこなせるCPU)のパワーを最大限に活かせる言語」を目指して、Go言語は開発されたのです。

開発には、コンピューター界のレジェンドとも言えるケン・トンプソン氏(UnixやC言語の開発に関わった!)やロブ・パイク氏といった人々が関わっており、言語としての信頼性も折り紙付きです。

【関連記事】
> Go言語の将来性は?
> Go言語の設計思想とは?

Go言語の主な特徴とは?他言語との違いを知ろう

Go言語には、他のプログラミング言語と比べても際立つ、いくつかの面白い特徴があります。他の言語、例えばPythonやJava、JavaScriptなどを使ったことがある人なら、「おっ」と思うポイントがあるかもしれません。

もちろん、初めてプログラミングに触れる人にも、その魅力は十分に伝わるはずです。これから、特に押さえておきたいGo言語ならではのポイントを4つ紹介しますね。

① シンプルで読みやすい文法

Go言語の最大の魅力の一つは、その「徹底的なシンプルさ」です。プログラミングのルール(文法)が、他の多くの言語に比べて少なく、覚えることが比較的少ないのが特徴です。

例えば、プログラムの書き方を揃えるための公式整形機能(`gofmt`というコマンド)が用意されていて、誰が書いても同じような見た目のコードになりやすい工夫があります。おかげで、他の人が書いたコードも読みやすく、チームでの開発がスムーズに進みます。

プログラムの部品を再利用する方法として、他の言語でよくある「継承」という仕組みがない代わりに、「コンポジション(組み合わせ)」という考え方を推奨している点も、シンプルさにつながっています。結果として、コードの構造が複雑になりにくいのです。

// Go言語の変数宣言の例(すごくシンプル!)
var message string = "こんにちは、Go言語!" 
// 型推論を使えばもっと短く書ける
message2 := "もっと短く書ける!"

こんな感じで、書き方がスッキリしているのが分かりますか?

② 並行処理(Concurrency)の容易さ

最近のコンピューターは、複数の作業を同時にこなすのが得意です(マルチコアCPUといいます)。Go言語は、そうしたコンピューターの力を簡単に引き出せるように「並行処理」の仕組みが言語レベルで組み込まれています。

具体的には、「goroutine(ゴルーチン)」と呼ばれる軽い処理単位と、「channel(チャネル)」と呼ばれるgoroutine間の安全なデータの受け渡し方法が用意されています。

ちょっと難しい言葉が出てきましたが、イメージとしては、「たくさんの小さな働き者(goroutine)を簡単に生み出して、それぞれに仕事を任せ、働き者同士が安全に連絡(channel)を取り合える仕組みがある」と考えてみてください。

おかげで、たくさんのリクエストを同時に処理するWebサーバーや、複雑な計算を分担して行うプログラムなどを、他の言語よりもずっと簡単に、そして効率よく作ることが可能です。

③ 高速なコンパイルと実行速度

Go言語は、書いたプログラムを実行可能な形式に変換する「コンパイル」という作業が必要です。でも、心配はいりません。Go言語のコンパイルは「めちゃくちゃ速い」ことで有名です!

プログラムをちょっと修正して、すぐに動きを確認したい、という場面は開発中に頻繁にありますが、Go言語ならコンパイルの待ち時間がほとんど気になりません。開発のリズムが良く、ストレスが少ないのは嬉しいポイントです。

さらに、コンパイルされて出来上がったプログラムの「実行速度も非常に速い」。コンピューターが直接理解できる言葉に近い形で動くため、Pythonのようなインタプリタ言語(一行ずつ翻訳しながら動く言語)と比べると、格段にパフォーマンスが良いのです。サクサク動くアプリケーションを作りたい場合に、Go言語は有力な候補になります。

④ 充実した標準ライブラリとツール

プログラミングをしていると、「Webサーバーを立てたい」「データをJSON形式で扱いたい」「テストを書きたい」といった、よくある作業がたくさん出てきます。

Go言語は、こうした「基本的な機能の多くが、最初から言語に組み込まれている(標準ライブラリが充実している)」のが大きな強みです。

他の言語だと、外部の追加部品(ライブラリやフレームワーク)を探してきてインストールしないとできないようなことでも、Go言語なら標準機能だけで実現できるケースが多いのです。

また、プログラムのビルド(実行ファイルの作成)、テストの実行、コードの整形、外部ライブラリの管理などを簡単に行えるコマンドラインの仕組み (`go build`, `go test`, `go fmt`, `go get` など) も標準で付いてきます。開発を始めるための環境準備が比較的楽で、すぐにコーディングに集中できるのも魅力ですね。

【関連記事】

> Go言語とPythonの比較
> Go言語とJavaの比較

Go言語は何に使われる?具体的な活用事例

「で、結局Go言語って何を作るのに使われているの?」という疑問にお答えしましょう。

Go言語のシンプルさ、速さ、並行処理の得意さといった特徴は、特に以下のような分野でキラリと光る活躍を見せています。それぞれの場面で、Go言語がどう活きているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

Webサーバー・API開発での活躍

Go言語が非常に得意とする分野の一つが、WebサーバーやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース:アプリ同士が連携するための窓口)の開発です。

WebサイトやWebサービスは、世界中からたくさんの人が同時にアクセスしてきますよね。Go言語は、軽い処理単位である「goroutine」のおかげで、たくさんのリクエストを同時に、しかも効率よくさばくのが得意なのです。少ないサーバー資源でも高い性能を発揮しやすいので、運用コストの面でもメリットがあります。

標準ライブラリに`net/http`というWebサーバーを立てるための機能がしっかり用意されているのも強み。簡単なAPIサーバーなら、外部のフレームワークを使わずにサッと作れてしまいます。もちろん、GinやEchoといった人気のフレームワークを使えば、もっと大規模で複雑なWebアプリケーション開発も可能です。あなたが普段使っているサービスの裏側も、実はGo言語で動いているかもしれませんよ。

マイクロサービスアーキテクチャでの採用

最近の大きなシステム開発では、「マイクロサービス」という考え方が注目されています。これは、一つの巨大なプログラムを作るのではなく、機能ごとに独立した小さなサービス(プログラム)をたくさん作り、それらを連携させて全体を動かす方法です。

Go言語は、まさにこのマイクロサービスを作るのにピッタリな性質を持っています。まず、コンパイル後の実行ファイルが小さく、起動が非常に速い。そして、メモリなどのコンピューター資源の消費も比較的少ないのです。小さくて軽いサービスをたくさん作るのにピッタリだと言えますね。

さらに、Go言語は単一の実行ファイル(他の依存ファイルをあまり必要としないファイル)を生成できるため、作ったサービスをサーバーに配置(デプロイ)する作業がとても簡単なのも、開発者にとっては嬉しいポイントです。

コマンドラインツール(CLI)開発の効率化

エンジニアが日常的に使う、パソコンの黒い画面(ターミナルやコマンドプロンプト)から命令を打ち込んで使うプログラムのことを「コマンドラインツール(CLI)」と呼びます。例えば、ファイルの操作をしたり、開発作業を自動化したりするような道具ですね。

Go言語は、こうしたCLIツールの開発にも非常に向いています。コンパイルが速いので、作っては試し、作っては試し、というサイクルを素早く回せます。また、Windows用、Mac用、Linux用といった異なるOS向けの実行ファイルを簡単に作り分ける(クロスコンパイル)機能も備わっています。

そして、出来上がったツールは依存関係の少ない単一の実行ファイルになることが多いので、使う人への配布がとても楽。開発者向けの便利な道具作りに最適な言語なのです。

クラウドネイティブ技術との親和性

「クラウドネイティブ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、クラウド(インターネット経由で利用するコンピューター資源)の利点を最大限に活かすようにシステムを設計・運用する考え方です。

コンテナ技術のDockerや、コンテナを管理するKubernetesといった、今のクラウド時代を支える非常にポピュラーな基盤ソフトウェアがあります。実は、これらのソフトウェアの多くがGo言語で書かれているのです。

Go言語の持つ高いパフォーマンス、優れた並行処理能力、ネットワーク関連機能の充実ぶり、そして生成される実行ファイルの扱いやすさなどが、大規模で複雑な分散システムであるクラウド環境の基盤を作るのに適している、という証拠と言えるでしょう。Go言語を学ぶことは、現代のインフラ技術を理解することにも繋がります。

このように、Go言語はWebの裏側から開発者の道具箱、そしてクラウドの基盤まで、幅広い分野でその実力を発揮しているのです。

Go言語の注意点とは?デメリットも理解しよう

どんな技術にも良い面と、少し注意が必要な面があります。Go言語も例外ではありません。学ぶ前に、少しだけ知っておきたい点を挙げておきます。

  • Generics(ジェネリクス)の歴史
    どんなデータ型でも扱える便利な機能「Generics」が導入されたのは比較的最近(バージョン1.18から)です。それ以前は、同じような処理を型ごとに書く必要があり、少し冗長になる場面もありました。古い情報源だと、まだGenericsがない前提で書かれている場合があります。
  • 機能のシンプルさ故の割り切り
    シンプルさを追求した結果、他の言語(例えばJavaやC++)にある「継承」のような機能はありません。違う設計思想(コンポジション)で対応することになります。また、エラーハンドリングの書き方が、少し冗長に感じられることがあるかもしれません。
  • エコシステム(ライブラリ等)の規模
    標準ライブラリは充実していますが、特定の目的のための追加ライブラリやフレームワークの種類や成熟度でいうと、JavaやPythonといった長い歴史を持つ言語に比べると、まだ発展途上の部分もあります。(とはいえ、主要な用途では十分なものが揃っています)

これらの点は、「そういうものだ」と理解しておけば、大きな問題にはなりにくいでしょう。特に初心者のうちは、あまり気にしすぎる必要はありません。

関連記事 > Go言語のメリットとデメリット

初心者でもGo言語は学べる?学習の始め方

「Go言語、良さそうだけど、プログラミング自体初めて(もしくは経験が浅い)私でも大丈夫かな…?」と不安に思うかもしれません。

結論から言うと、Go言語は初心者の方にもおすすめできる言語の一つです!

理由は、やはりその「シンプルさ」。覚えるべき文法のルールが少ないので、プログラミングの基本的な考え方(変数、条件分岐、繰り返しなど)を学ぶことに集中しやすいのです。最初の一歩を踏み出すには、もってこいの言語と言えるでしょう。

では、具体的にどうやって学習を始めれば良いか、簡単なステップを紹介しますね。

Go言語のインストール方法

まずは、自分のパソコンでGo言語を使えるように準備(インストール)しましょう。

Go言語の公式サイト (golang.org や go.dev で検索!) にアクセスすると、Windows、macOS、Linux用のインストーラーがダウンロードできます。基本的には、ダウンロードしたファイルを実行して、画面の指示に従っていけばOKです。

詳しい手順は公式サイトに図入りで載っているので、そちらを参照するのが一番確実です。(英語ですが、ブラウザの翻訳機能を使えば大丈夫!)

インストールが無事に終わったら、ターミナル(WindowsならコマンドプロンプトやPowerShell)を開いて、以下のコマンドを打ってみてください。

go version

`go version go1.XX.X ...` のような表示が出れば、これでGo言語を使う準備が整いました

最初のプログラム「Hello, World!」

プログラミング学習の定番、「Hello, World!」をGo言語で書いてみましょう。これは、画面に「Hello, World!」という文字を表示するだけの簡単なプログラムです。

テキストエディタ(メモ帳でも良いですが、VS Codeなどのプログラミング用エディタがおすすめ)を開いて、以下の内容を入力し、「hello.go」という名前で保存してください。

package main

import "fmt"

func main() {
    fmt.Println("Hello, World!")
}

簡単にコードの意味を説明すると、

  • `package main`: このファイルが実行可能なプログラムであることを示します。
  • `import "fmt"`: 文字の表示など、基本的な入出力機能を使うための準備です。
  • `func main()`: プログラムが実行されるときに、最初に呼ばれる部分です。
  • `fmt.Println("Hello, World!")`: "Hello, World!" という文字を画面に表示して改行する命令です。

難しく考えなくて大丈夫!「おまじない」のようなものだと思ってください。

次に、ターミナルを開き、`hello.go`ファイルを保存した場所に移動して、以下のコマンドを実行します。

go run hello.go

画面に「Hello, World!」と表示されれば大成功!プログラムが動くって、楽しい!と思えたら、素晴らしいスタートです。

Go言語の基礎を学ぶ

Go言語の基礎を学ぶには、以下のページを順番に学ぶことをおすすめします。

【まとめ】Go言語とは未来を作るための選択肢

Go言語とは、Googleによって生み出された、シンプルさ、高速性、そして並行処理の容易さを兼ね備えた、現代的でパワフルなプログラミング言語です。

Webサーバー開発やマイクロサービス、クラウドネイティブな領域を中心に、その活躍の場を広げており、需要も高まっています。シンプルな文法は初心者にとっても学びやすく、それでいて奥深い並行処理の世界も体験できる、魅力的な言語です。

もちろん、他の言語と同じように得意なこと、少し注意が必要なこともありますが、総じてこれからのソフトウェア開発において、知っておいて損はない、有力な選択肢の一つと言えるでしょう。

もしこの記事を読んで、「Go言語、ちょっと面白そうかも」「学んでみようかな」と思っていただけたら、とても嬉しいです。ぜひ「Hello, World!」から、その一歩を踏み出してみてくださいね!

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リモートワークでエンジニア兼Webディレクターとして活動しています。プログラミングやAIなど、日々の業務や学びの中で得た知識や気づきをわかりやすく発信し、これからITスキルを身につけたい人にも役立つ情報をお届けします。 note → https://note.com/yurufuri X → https://x.com/mnao111

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